最後は「うちは今後もタイミーを使っていきたいので、もめごとを起こしたくない。もうここには電話をしてこないで」と一方的に電話を切られたという。数日後、タイミーのカスタマーサポートからはこんなメッセージが届いた。
「企業都合によるキャンセルですので、ペナルティは付与されません。ご安心ください。一方的なキャンセルとなりました事を、心よりお詫び申し上げます」
ペナルティとはワーカーがキャンセルや遅刻をすると加算されるポイントのこと。このときのことを思い出したのか、タカヒコさんの口調がやや感情的になる。
「ペナルティポイントが付かないとか、当たり前だろ、このボケが! 何が安心してくださいだ、ふざけるな!と思いました」
事業者によるドタキャン問題はスキマバイトの現場では“あるある”のひとつだ。
「スキマバイトは“事業者ファースト”」と批判
タカヒコさんによると、農業の仕事を仲介する「デイワーク」というアプリを利用したときも「応募した時点でマッチング成立」という旨の条件が明示されていた仕事を選んだにもかかわらず、キャンセルをされたという。アプリ内のメッセージ機能を使って農家側に理由を尋ねたが、なしのつぶて。返事がほしいと再度連絡したところ、ブロックされた。
デイワーク側に問い合わせると、担当者は農家側の規約違反であることは認めたものの、最終的にはタカヒコさんが泣き寝入りする結果となった。
タカヒコさんはたびたび同様の被害に遭ってきた。事業者側によるドタキャンが横行し、アプリ運営会社もそれを事実上黙認している現状について、タカヒコさんは「スキマバイトは“事業者ファースト”だから」と吐き捨てるように言った。
「ワーカーはそのために予定を空けておくので、ほかの仕事に応募もできません。見込んでいたお金も入ってきません」
たしかにワーカーにとっては踏んだり蹴ったりの話だ。事業者側によるドタキャンは労働契約の一方的な破棄・変更に当たらないのだろうか。
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