日本がアメリカを支配した世界を描く中国製ゲーム 日本文化の奇想天外なパロディが話題に
おまけに昭和66年にはゾンビが発生する大事件まで発生しており、主人公は巨大なトレーラーに乗って戦いを繰り広げながらこの奇妙すぎる世界を旅する。あまりにもぶっ飛んだ設定に注目が集まらないわけがないだろう。
NEKCOM Entertainmentのセンスはもともとかなり特殊なもので、2021年に発表された『DYING : 1983』というホラーゲームも異質だった。これは「ツナ缶を食べて赤いヤカンを銃で撃たないと扉を開けた瞬間に爆死する」という、まったく意味不明でカオスなゲームであった。
残念ながら『DYING : 1983』は発売されていないようだが、独特のセンスは次の作品となる『昭和米国物語』に受け継がれている。
昭和を懐かしむゲームは数あれど
日本文化を取り扱ったゲームはいま、ひとつのブームといえる。元寇を題材にした『ゴースト・オブ・ツシマ』はヒット作になったし、安土桃山時代の「弥助」が登場する『アサシン クリード シャドウズ』もいろいろな意味で話題になっている。
それでも『昭和米国物語』は異質なゲームである。日本文化に対する理解があるのはもちろんなのだが、より具体的に言うと80年代に対する解像度が妙に高いのだ。
本作のテーマ曲として採用されているのは、大事MANブラザーズバンドの『それが大事』である。ある程度の年齢であればこの曲を一度は聴いたことがあるだろうし、まさしく時代の象徴となる曲だ。なお、この曲はカバー版が香港、中国大陸でも流行していたそうだ。
紹介映像に出てくる小物もニクい。ファミリーコンピュータに似たゲーム機、バネでジャンプできるホッピング、古臭いデザインのブリキ看板、昭和の子供が遊んでいたらしい車輪を棒で転がす謎の遊びなど、どれもこれも懐かしさを感じさせる。
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