1つは「本番での戦い方」です。例えば、中学入試ではよく「第1志望の試験日である2月1日を最初の試験日にしないこと。1月に練習として第2志望以下の中学を受験すること」が通例となっています。大学入試でもさまざまな試験を受ける中で、試験会場での緊張感との向き合い方や、うまくいかなくなったときの対処法などを学ぶことができるわけです。
特に現役生であれば、共通テストは人生初の大学入試である場合が多いです(年内入試を受けに行っている場合を除く)。その共通テストでの経験は、絶対にそれ以降の入試の糧にできるはずなのです。「こんなに緊張するんだな」「試験会場って思っていたよりも広いな」といった発見が、第1志望の試験を受けに行くときの糧になるのです。
もう1つは、「入試問題との向き合い方」です。どんな過去問を解くよりも、どんな模試を解くよりも、大学の入試問題を解いているときがいちばん集中力を使い、力を入れて問題を解くはずです。
仮にこれを「本番(第1志望の入試)のための練習」だと定義するのであれば、こんなに緊張感のある練習はほかにありません。第2志望以下の入試は(人によっては共通テストも)、本番と一番近い練習になるのです。入試問題を本気で解く経験をする中で、今までにないほど成績が上がっていく人も多いわけです。これが「受験期にこそ学力が伸びる」理由です。
「見直し」をしないと意味がない
しかし残念ながら、その練習を無為にしてしまう受験生も多くいます。それは、「見直しをしない受験生」です。
例えば共通テストが終わってから、ほぼすべての受験生が採点をします。しかし、採点するだけで、模試や過去問のように「なぜこの問題を間違えてしまったんだろう?」「ここの問題、難しかったけど、どうやって考えたらよかったんだろう?」と考える人はほとんどいません。
これは第2志望の入試に関しても同様で、下手をすると採点すらせずに次の試験の過去問を解くという人もいるくらいです。それはとても「もったいない行為」だと言えます。
ぜひ、自分が受けた試験を振り返るようにしましょう。採点をしたり、どこで自分が時間を使ってしまっていたのかを確認したり、ケアレスミスがなかったかを確認します。過去問演習でやっているのと同じように、復習をするのです。
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