「失敗は成功のもと」を鵜呑みにしている人の盲点 リスクを「リスクでなくする」ためのプロセス

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もっと言うと、「失敗は成功のもと」という格言を知らない人はいないと思いますが、解釈のしかたによってはかなり危険な言葉にもなります。1度でも失敗が絶対に許されない世界もあり、特に医療や公共交通の運転では命を預かっているため、そんなことは口が裂けても言えません。

私の本業である歯科医療も、まさに失敗してはならない領域。たとえば、インプラントの手術をする際、失敗や再手術があってはなりません。難易度の高い手術でも、100%の結果を求められます。

「いのうえ歯科医院」では、オールナイトでインプラント手術を行ったことがあります(2日間で17症例。1日に2、3症例が一般的だとされている)。簡単な手術は1つもありませんでしたが、すべての手術で100%の結果を出せたのは、「手術を成功させる」ことを前提に、プロセスを管理したからです。

プロセス管理に必要な「5大原則」

ではプロセス管理は、どのようにすればいいのか。私は次の5つを大事なポイントとしています。

①想定しうるすべての可能性(リスク)を洗い出す

どのような障害があるかわからないので、あらゆるリスクに備えておきます。「この状況が起きたら、こういう処置をする」「次にこうなったら、この対処法に切り替える」と対策を用意しておけば、判断に迷うことはありません(リスク管理については後述します)。

②プロセスを緻密にする

仮に、「ゴールまでにやらなければいけない工程」が3つあったとします。この場合、1つも省くことなく、間を飛ばすことなくプロセスを設計することが大切です。「1つくらい工程を飛ばしてもかまわない」と油断すると、早くゴールに到達できても、質が低下して望む結果は得られません。

③いつ、誰がやっても同じ結果が出るようにする

「チームとしての結果」を出すためには、誰がいつ作業しても同じ結果が得られるように、手順や方法を標準化(マニュアル化)することが重要です。業務が属人化すると、他の人が同じ結果を出すことが難しくなります。属人化とは、特定の人しか業務内容や業務フローがわからない状態のことです。

次ページ4つ目、5つ目の原則は
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