超短命政権の危機脱した石破首相を待つ「3大関門」 「予算」「不信任」「参院選」…2025政局展望

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ただ、こうした石破首相の政権維持戦略も、「内閣支持率次第ですぐ流れが変わる」(同)というのが実態だ。年明け以降の各種世論調査でも内閣支持率は低迷傾向が続いており、「閣僚のスキャンダルや、新たな『政治とカネの問題』の発覚などによって支持率が急落すれば、自民党内の反石破勢力も一気に動き出す」(自民長老)のは否定できない。

年頭会見でトーンダウンも、国会での追及材料に

そうした中、石破首相の本格的仕事始めともなった6日昼、恒例の三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝した後、同市内で年頭記者会見を行った。石破首相は記者団との質疑応答の中で、24日召集予定の次期通常国会での与野党攻防について「臨む姿勢は臨時国会と何も変わらない」とまずは強調。

そのうえで、年末年始の一連の“石破発言”について「大連立をするなどとは、1回も言ったことはない。『そういう可能性はありますよね』と申し上げただけ」などと苦笑交じりにはぐらかし、「(衆参同日選断行など)力に頼るリーダーシップを発揮するつもりはない」とあえて強気の姿勢をトーンダウンさせた。

これについて、永田町では「厳しい状況が続く対野党折衝をにらみ、臨機応変に対応する姿勢をアピールすることで、与野党双方に“石破主導”の国会運営を意識させるのが狙い」(閣僚経験者)との受け止めが大勢だ。ただ、自民党内からは「本来、同日選や大連立などを口にすること自体がトップリーダーとしての資質や見識が問われる」との厳しい声もあり、通常国会開幕直後の各党代表質問や衆院予算委での野党側の追及材料になることは避けられない状況だ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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