住所非公開「ロールス・ロイス」特注専門の新業態 自分だけの1台を作るプライベートオフィス

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そこでロールス・ロイスでは、英グッドウッドの本社、ドバイ、上海、ニューヨークと、主要な市場があるところにプライベートオフィスを開設。そのうち、もっとも新しいのが、2024年11月に開かれたソウルのプライベートオフィスだ。

ソウルにも、本社から派遣されたデザイナーが常駐し、クライアントの相談に乗る体制をとっている。室内は韓国伝統の韓紙(はんじ)や白木を使った内装で、落ち着いた雰囲気だ。

西欧からクライアントが足を運んだとしたら、エキゾチックに感じられるだろう。

韓紙(はんじ)や白木を用いた明るい雰囲気のプライベートオフィス・ソウル(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)
韓紙(はんじ)や白木を用いた明るい雰囲気のプライベートオフィス・ソウル(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)

しかし、韓国らしさとかアジアらしさをデザインに反映するのが、ソウル・オフィスの目的ではない。あくまでも、「アジアの顧客がアクセスしやすい場所」として選んだのだという。

「なぜ東京にしなかったのか、という質問をもらいますが、ソウルのエネルギッシュな成長ぶりに魅力を感じたためです。ここに、日本からのクライアントもお迎えしていますし、要望があれば、こちらから日本へ行ったりもします」

2024年9月に本社から赴任してきたリージョナル・ビスポーク・デザイナーのジェームス・ロバート・ベイズン氏は、ソウルでそう説明してくれた。

作るのはクルマではなくクライアント自身

世界で1台だけのロールス・ロイスを作るのには、時間がかかる。何度もクライアントにインタビューを行い要望を聞き出し、ラフスケッチやコンピューターグラフィックスなどで具体的なデザインの提案を行っていく。

孔雀をモチーフにしたデザインを提案する資料(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)
孔雀をモチーフにしたデザインを提案する資料(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)

「私たちがプライベートオフィスで作るのは、クルマというより、クライアント自身を反映したオブジェクトなのだと理解しています」

ベイズン氏がそう語ると、ブラウンリッジ最高経営責任者は「このマーケットは確実に拡大しています」とつけ加えた。

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