住所非公開「ロールス・ロイス」特注専門の新業態 自分だけの1台を作るプライベートオフィス

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そもそもロールス・ロイスは、仕上げの多様性という点で、群を抜いている。プライベートオフィスでない通常のディーラーで注文する場合でも、車体色だけで4万4000におよぶという。

プライベートオフィスにも、さまざまな色を塗ったスケールモデルが保管されているが、その数はかぞえきれないほどだ。内装のサンプルもしかり、ダッシュボードの素材見本もしかり。多種多様かつ多数である。

ウッドパネルの木材からステッチに使われる糸のカラーまで、選べる素材は無限ともいえる(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)
ウッドパネルの木材からステッチに使われる糸のカラーまで、選べる素材は無限ともいえる(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)

特別仕様はスピリット・オブ・エクスタシーまで

ロールス・ロイスは、ときとしてスペシャルな限定モデルも手がける。たとえば2024年の「ファントム・エクステンデッド・ゴールドフィンガー」。

映画『007/ゴールドフィンガー』からインスピレーションを得た仕様として仕上げられたもので、細部まで凝った仕上げだ。

1964年の『007/ゴールドフィンガー』劇中車である1937年「ファントムIII セダンカ・デ・ヴィル」がモデル(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)
1964年の『007/ゴールドフィンガー』劇中車である1937年「ファントムIII セダンカ・デ・ヴィル」がモデル(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)

おもしろいアイディアは、ラジエターグリル上のスピリット・オブ・エクスタシー像。純銀製のマスコットに、18金で加工を施している。

映画の中で、悪役のゴールドフィンガーがファントムのボディパネル内に金塊を潜ませていたエピソードを参考に、スピリット・オブ・エクスタシーの一部から金がのぞいているよう、デザインしているのだ。ちょっとひねったユーモアが感じられる。

2024年にはもう1台「ファントム・シンティラ・プライベートコレクション」なるモデルも発表している。

これはロールス・ロイス・ブランドの120周年を記念した仕様。こちらも凝りに凝って作られていて、たとえばドアの内張とシートで計86万9500におよぶステッチが施されている。

「ファントム・シンティラ」のインテリアは、スピリット・オブ・エクスタシーを刺繍で表現(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)
「ファントム・シンティラ」のインテリアは、スピリット・オブ・エクスタシーを刺繍で表現(写真:courtesy of Rolls-Royce Motor Cars)

もうひとつの見どころは(ゴールドフィンガーのように)スピリット・オブ・エクスタシーのデザイン。なんと、セラミック仕上げになっている。

そもそもこのマスコットをデザインしたチャールズ・スカイクが、ルーブル美術館に展示されている大理石の「サモトラケのニケ像」を参考にしたというエピソードを参考に、シンティラの”女神”もイメージを近づけた。

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