日本人の寿命を圧倒的に縮めるお馴染みの「食品」 うま味調味料を敬遠する人の大きな勘違い

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最近は、料理研究家の中でも堂々と使う人が出てきました。安全性になんの問題もないですし、舌が慣れてしまう、というのも俗説です。食事のうま味が多めだと減塩されていても満足感につながりおいしく食べられる、という調査結果も多くあり、病院や高齢者施設でもうま味調味料を積極的に利用するところが増えてきているそうです。

日本人が気にすべきは「塩分の摂りすぎ」

日本人が食生活で注意すべきは、なんといっても食塩の摂りすぎだと私は思います。高血圧や慢性腎臓病につながりますし、胃がんリスクも上げる、とされています。

食塩は、食品を保存するために非常に重要であり、漬物や干物、さまざまな加工食品に大量に使われていました。戦後すぐの調査で、成人の男性が平均して1日20gの食塩を摂取していたことが報告されています。

ところが、食品添加物が用いられるようになり、冷蔵庫や冷凍庫も普及して食品の保存性は上がりました。食塩が健康に悪いことも広く知られるようになって減塩が進み、2022年の国民健康・栄養調査によれば、成人平均の食塩摂取量は9.7gとなっています。

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ただし、世界保健機関(WHO)が推奨しているのは1日5g未満。また、日本人の食事摂取基準2025年版でも目標量は成人男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。国民健康・栄養調査の結果は調査された人の過少申告によるもので、2013年に実施された尿調査の解析によれば、成人男性は平均して1日14gもの食塩を摂っています。

減塩は、やっぱり強力に推し進める必要があります。塩分が多いのは麺類。ラーメンで食塩が1杯7g以上ある、というのはざらです。もったいないですが、麺類のだし、スープは残しましょう。若い人は、醤油や味噌など塩気の強い調味料からだけでなく、マヨネーズやドレッシングなどからも食塩を意外に多く摂っています。注意しましょう。

松永 和紀 科学ジャーナリスト

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まつなが わき / Waki Matsunaga

1963年長崎市生まれの東京育ち。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社の記者として10年勤めた後に退職し、科学ジャーナリストとして活動を開始。2011年に、科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体「Food Communication Compass」(略称フーコム)を設立。著書に『メディア・バイアス――あやしい健康情報とニセ科学』(光文社新書)、『お母さんのための「食の安全」教室』(女子栄養大学出版部)などがある。

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