ドラゴン・タトゥーの女 --犯罪と経済の関係《宿輪純一のシネマ経済学》

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 そんな彼女もミカエルの率直な態度によって協力することになる。2人は力を合わせ、逆にヴァンゲル一族の恐ろしい過去を明らかにしていくが、それはリスベット自身の忌まわしい過去ともリンクする。そして犯罪的な暴力にも巻き込まれていき、ピンチに陥る。

この映画は、デヴィッド・フィンチャー監督その人の映画といっても過言ではない。彼は、SNSの雄で、筆者も最大限使っているFacebookを描いた『ソーシャル・ネットワーク』も手掛けたが、本来は『セブン』などの、そもそもダークなサスペンスが持ち味。今回も、白夜のスウェーデンで恐るべき血族の因縁と、猟奇的犯罪を描く。彼の映画はそもそも画面が暗い。インタビューでもいちばん嫌いな色はピンクと言っていたほど。

また本作では、現在の007ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグがミカエル役で出演、渋い演技を見せている。彼の次作『007 スカイフォール』も12月に公開予定である。リスベット役のルーニー・マーラーはピアス孔を実際に開け、不思議と親しみの湧く演技は評価が高い。



 新聞を見ても猟奇的な事件は日本でも増えてきている。これには2つの要因があるといわれている。なかなか分析は難しいが、犯罪と景気、特に失業率と相関性が強いとも指摘されている。社会的な治安悪化ともいうことができ、重要な課題である。

また、犯罪の若年化や猟奇化にはゲームやネットの影響が大きいともいわれている。痛みを感じないゲームで、何回もリセットできるという状況は、現実から乖離した世界に陥らせる。

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