米国オーディオメーカーが狙う日本市場の"鉱脈" 配信時代、ストリーミング対応で市場拡大

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物理メディアの衰退が日本よりも先行した欧米で存在感を伸ばし、据え置き型スピーカーからホームシアター、ポータブルデバイス、そしてヘッドフォンまで手がけるオーディオブランドとしてその存在感を示している。

物理メディア中心の音楽産業では”亜流”でしかなかったSonosだが、配信時代へと世の中が動き始めるとだんだんと”ど真ん中”のブランドになっていったのだ。

しかし、それはグローバルマーケットでの話。

世界第2位の音楽市場である日本でのSonosの展開は2018年と浅く、ブランド認知は高いとは言えない。日本には伝統的なオーディオブランドも多く、コンシューマ市場で新たなブランドを確立するハードルは高い。また音楽市場の変化が、欧米よりも遅かったことで、Sonosの後を追いかけてきたブランドと日本市場では対決しなければならない。

しかし現在のSonosにとって、日本市場は単なる海外進出の一環だけではなく、自社の製品や戦略を見直し、新たな価値を創出する実験場としての意味を帯びているようだ。

Sonosの最高レベニュー責任者(CRO)であるドゥーニャ・ラローサ氏に話を聞いた。

日本の消費者が持つ繊細な感覚

CROとは売上の成長戦略を統括し、ビジョンに基づいた事業計画を具体化するポジションだ。製品開発、マーケティング、販売チャネルなど、顧客に商品を届けるプロセスに横断的に関与しながら顧客の体験を高め、収益の拡大を目指す。

グローバルな視点での事業開発と、地域ごとに異なる市場への理解を掛け合わせるもので、オランダ出身のラローサ氏はソニーで10年にわたりホームエンタテインメントおよびポータブルオーディオ分野でグローバルの事業戦略にSVP(シニア・バイスプレジデント)として関わり、ダイソンでは北米でのプレミアムチャネル開発を手がけた。

Sonosの最高レベニュー責任者(CRO)であるドゥーニャ・ラローサ氏(写真:Sonos)

「私の役割は消費者が何を求め、何を好んでいるのかを見極め、優れた音響体験への願いに応えられるよう、ビジネス戦略など経営の中心に近いところから事業構造を構築し、顧客体験の向上と成長を促すことにあります(ラローサ氏)」

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