日本製品の輸入規制が続く食料品、日本産ブランドの受難

書式作成に手間取り中国向け輸出半減

少子高齢化に伴う国内市場の縮小を見越し、農林水産省は2005年から日本産食品の輸出を強化。最大の輸出先であるアジアを中心にブランド開拓が奏功し、10年は前年比10・5%増の約4921億円と大きく躍進。11年も一段と伸びる予定だった。ところが、原発事故により日本産食品の「安心・安全」というイメージはもろくも崩れ、前年割れの厳しい状態にあえいでいる。

食品輸出を手掛けるメーカーや業者は、証明書取得への対応に追われている。産地証明書の発給には都道府県ごとに申請が必要だ。また、放射性物質検査証明書は、全国に約40カ所ある政府指定の検査機関に検査を依頼し都道府県で発給する場合が多い。検査結果が出るまでに1週間程度を要するうえ、1品目当たり約2万円の検査費用もかかる。大手食品卸の輸出担当者は「関東、東北の中小メーカーの中には、輸出を取りやめざるをえない企業も出てきている」と漏らす。

主な輸出相手国の中で、規制による影響が最も大きいのが中国だ。中国は昨年5月に温家宝首相が訪日した際に、産地証明書を添付すれば輸入を認めると表明した。だが、「原料やその輸送経路などの管理方法について、協議が長引いた」(農林水産省幹部)ため、実際に証明書の書式が整ったのは11月末。放射性物質の検査証明書に至っては、検査方法についての議論が続いており、現在も書式が整っていない。

産地証明書の書式が整うまでの約半年間、中国向けは水産物を除き事実上の輸出停止となり、昨年4~11月は中国向け輸出が半減した。圧倒的な“胃袋”を持ち、有望市場と位置づけてきた各企業にとっては大きな痛手だ。


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