刃物を持つ犯人に「絶対してはいけない」3つの事 刃物を持った人物が現れたら…どうすればいい?

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もっと手前の段階から身を守る方法は1つだ。とにかく周りに気を配り、不審者から距離をとること。

不審者と至近距離で対面しないためには、不審者をできるだけ遠くで、いかに早く見つけるかに限る。 スマートフォンに集中したり、イヤホンをして周囲の音を遮断していたりすれば、不審者発見は遅れてしまうし、襲われたときにも初動が遅れるだろう。

「直感」は馬鹿にならない

2021年に京王線車内で起きた刺傷事件がある。

ハロウィーンであった10月31日、八王子から新宿に向かう京王線の車内で、当時24歳の男が乗客たちを無差別に刃物で襲った事件だ。男性1人が意識不明の重体となり、車内には火が放たれた。犯人の男が『バットマン』に出てくる「ジョーカー」のコスプレをしていたことから、「ジョーカー事件」とも呼ばれている。

この事件映像を見て筆者が気になったのは、乗客が隣の車両から走って逃げてきているにもかかわらず、 ヘッドホンをしていて逃げ遅れている人がいたこと。スマホに夢中になっていたり、イヤホンで周囲の音を遮断していたりする人の姿は、最近では当たり前に見られる。これは非常に危険だ。

イヤホンをするにしても片耳は空けた状態にしたり、スマホをずっと眺めるのではなく、頻繁に顔を起こしたりすることで、初動への反応速度を上げることができる。

そして不審な人物を見かけたら、とにかくそっと距離をとることだ。そのために重視するのが「直感」。これが意外と馬鹿にできない。公共の乗り物などで「何かが怪しい」と感じたときの“言葉には表せない直感”に頼る。この感覚的な気づきを逃さないためには、先ほども述べたように周りに気を配るのが肝心だ。

最近起こった事件については、こういった対策をもってしても防げない最悪のケースだったといえる。しかし、普段から注意して周囲を見るようにすれば、あなた自身、そして大切な人を守ることができるかもしれない。

まずは備えるという意識をもっておくには越したことがないだろう。

松丸 俊彦 セキュリティコンサルタント

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まつまる としひこ / Toshihiko Matsumaru

警視庁に23年在籍。2002年日韓共催W杯サッカー大会においてロンドン警視庁の特別捜査官と共にフーリガン対策に従事。在南アフリカ日本大使館に領事として3年間勤務。南アフリカ全9州の警察本部長と個別に面会して日本大使館と現地警察との連絡体制を確立し、2010年南アフリカW杯サッカー大会における邦人援護計画を作成。警視庁復帰後、主に防諜対策(カウンターインテリジェンス)及び在京大使館のセキュリティアドバイザーを担当。全155大使館を延べ1,200回以上訪問し、大使館及び大使公邸に対するセキュリティアセスメント(警備診断)、特命全権大使を始めとする外交官に対するセキュリティブリーフィングを実施した。

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