いったん家庭に入った女性がもう一度社会で働くには、かなりの勇気が必要だ。パソコンは使えるか、退職前と変わらぬクオリティの仕事を自分が提供できるのかなど、思い悩む点は多くある。ブランクが長ければ長いほど、その不安は大きくなる。一方で、不安な気持ちは雇う側の企業も同じだ。一から教えなくてはできないような人材では、採用するにはリスクが高すぎる。この両者の不安を和らげるのが、同大学が打ち出した「スマートキャリアプログラム」だ。
充実のプログラムは“学部以上、MBA未満の授業内容”
プログラムでは、主に商学部とビジネススクール(専門職大学院グローバル・ビジネス研究科)の知的財産や人的財産を利用し、“学部以上、MBA未満の授業内容”を実現した。受講生はマーケティングや金融、財務の知識に加え、ライフキャリアマネジメントなど、もう一度働くうえで必要な講義をしっかりと受けることができる。
「金融・財務の知識がゼロの人でもわかるように教えています」と話すのはビジネススクールで教鞭をとる木村哲教授だ。木村教授が担当する「金融・財務リテラシー」の講座は、家計のリスクマネジメントなど受講生にとっても身近な内容から入り、財務諸表の見方や株式の知識など、専門的な領域へと学びを広げていく。
また、「マーケティング実践プロジェクトゼミナール」は、実際の企業から課題をもらい、受講生がチームを組んで取り組む講座だ。1期では人気コスメブランドのドクターシーラボや山崎製パンから与えられた課題に対して解決策を考え、最終的には両本社でプレゼンテーションも行った。
また、「マネジメント・サロン」では、実際にビジネスの世界で活躍する女性経営者をゲスト講師に招き、直接話を聞く機会を設けている。「ただ授業を受けるだけでなく、履修後もつながる新たなネットワーク構築の場にもなっているようだ」と話すのは明治大学社会連携事務室の望月利昭氏。就職だけでなく、起業を視野に入れる受講生もいるという。
プログラムは約5カ月間。大学または短期大学を卒業し、就業経験のある女性ならば誰でも応募できる。また、大学・短大卒でなくても、就業経験があり、個別の入学資格審査を通過した場合は、同等の学力があるとみなされ許可がおりる可能性がある。
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