「トランプ2.0」は吉か凶か、2025年の経済を読む FRBがトランプ氏の政策に翻弄されるのは必至
分断・多極化する世界で、新しい視界を開くことができるか。日本が向かうべき道とは――。『週刊東洋経済』2024年12月28日・2025年1月4日合併特大号の第1特集は「2025年大予測」だ。株式・マネーから日本の政治経済、世界情勢、産業・企業動向、そしてスポーツ・エンタメまで。2025年の注目テーマを徹底解説する。
アメリカのトランプ次期政権の経済政策は関税強化、移民規制、大幅減税と多くがインフレ的だ。減税は総需要を刺激し、関税強化や移民規制は総供給を制約するから、需給逼迫でインフレを助長する。
下図にあるとおり、確かに現在のアメリカの失業率は歴史的に低く完全雇用に近い。そのため、インフレ再燃リスクは無視しえない。
一方、移民規制や関税強化が資源配分を歪めれば、生産性上昇率や潜在成長率を低下させるリスクがある。また、大幅な関税強化が総需要に悪影響を与えかねない。
単純ではない政策効果
はたして2025年の世界経済は、アメリカを中心にインフレと景気悪化が共存するスタグフレーションに陥るのだろうか。
トランピズムがうたうのは、高学歴のエリート層による移民政策やグローバリゼーションで困窮化した低中所得層の救済だ。国境管理、経済ナショナリズム、米国第一の外交政策の3つで構成される。
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