世界中の投資家がトランプ大統領の一挙手一投足に息をのむ。そんなときこそ投資を積極化すべき理由とは――。

アメリカのドナルド・トランプ大統領が4月2日、「相互関税」の名の下に関税の大幅な引き上げを公表した。すべての国・地域に一律10%の関税をかけたうえで、国・地域ごとに異なる税率が上乗せされた。日本の上乗せ税率は24%、欧州連合(EU)は20%、中国は34%などと、事前の想定を大幅に上回る関税率だった。
アメリカの関税は、同国の輸入業者がアメリカ政府に納めるものだ。ただ多くの場合、アメリカ産の完全な代替品があるわけでないため、輸入企業はアメリカ国内で一定の値上げを行い、そこから得られた収益をアメリカ政府に納める関税の一部に充当することになろう。
そのため、トランプ政権による関税引き上げは自国民に対する増税に近い効果を持つ。アメリカ経済を牽引する同国民の消費が減速すれば、アメリカ経済のみならず世界経済にも悪影響を及ぼすことになる。
そうした懸念などから、相互関税の発表をきっかけに世界的に株価が大暴落。アメリカの代表的な株価指数であるS&P500種は4月8日に4982ポイントとなり、わずか1カ月半前(2月19日)につけた史上最高値6144ポイントから18.9%も下落した。
その後、トランプ大統領は4月9日、同日に発動した相互関税の一部について90日間の一時停止を許可すると発表。アメリカに対して報復措置を取っておらず、アメリカに交渉を持ちかけた国・地域については関税率を10%に戻す一方、中国にかける関税は145%に引き上げた。
これを受けて、同日のS&P500は前日比9.5%高の5456ポイントへ大幅上昇。しかし翌10日には、米中の貿易戦争深刻化への懸念などから同3.5%下落。ボラティリティー(変動率)の高い状態が続いている。
「周囲が恐れているときには貪欲であれ」
筆者は、こうしたときこそ1年程度の中期的なアメリカの株価回復の可能性も踏まえて投資を行うべきだと考えている。理由は2つある。
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