日本の不動産業界 経済低迷に伴い、高水準の空室率と賃料下落が継続《ムーディーズの業界分析》


新しいビルに対する需要は改善する一方、古いビルに対する需要低下が加速

3月11日の大震災以降、耐震性の高い新しいビルに対する需要が高まっている。この動きは、新しく高品質なビルを保有する格付け対象の不動産会社やJ-REITの空室率および賃料への影響を緩和する可能性があるであろう。その反面、古く品質の低いビルの需要は低下するだろう。

個人消費の低迷が商業施設の収益を圧迫

オフィス以外のセグメントにおいても、日本経済回復の遅れの影響を受けるであろう。たとえば、多くの商業施設の業況は、弱い個人消費を反映して低迷が続いている。このため、テナントによる賃料値下げや解約要求が高まる可能性があろう。

厳しい雇用環境が住宅市場の重しに

住宅賃貸市場については、ここ数年稼働率と賃料の下落が続いたが、足元では安定化してきている。しかしながら、厳しい雇用環境を踏まえると、稼働率と賃料の改善を見込むのは困難であろう。一方、住宅販売市場(主に都心部のマンション分譲)については、低金利と優遇税制が需要を下支えするものの、日本経済低迷の影響で、マンションの販売戸数と販売価格に影響が及ぶ可能性があろう。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 令和の新教養
  • 育休世代 vs.専業主婦前提社会
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
小野薬品vs.本庶京大教授<br>大型新薬めぐり深まる溝

本庶佑教授と小野薬品工業がタッグを組んで生み出したがん免疫治療薬「オプジーボ」。ところが、本庶氏が特許の正当な対価として150億円の支払いを求め、小野薬品工業を提訴する方針を固めた。両者の関係はなぜこじれてしまったのか。

  • 新刊
  • ランキング