62歳で死去「藤原道長」栄華極めた"最期の日々" 死の直前には息子や娘が次々と亡くなった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

道長の背中の腫れ物は、悪化していたために、12月2日には医師による針刺しが行われました。膿と血が流れ、道長は苦渋の声を上げたようです。それから2日後、道長は息を引き取ります。享年62歳でした。

死後も息子が摂関政治を引き継ぐ

『栄花物語』は、臨終の時、道長は耳には念仏を聞き、9体の阿弥陀如来像の手から引いた糸を握りしめつつ、あの世へと旅立ったとしています。

一方で、これは美化されたもので、本当は苦しみながらの死だったのではないかとの見解もあります。藤原氏摂関政治の最盛期を築いた道長。道長の死後も、彼の息子が摂関職を世襲したことを思うと、道長の「偉業」の大きさが改めてうかがえるでしょう。

(主要参考・引用文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・朧谷寿『藤原道長』(ミネルヴァ書房、2007)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『藤原道長の日常生活』(講談社、2013)
・倉本一宏『藤原道長「御堂関白記」を読む』(講談社、2013)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数
X: https://twitter.com/hamadakoichiro
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事