40歳、年収1000万円の仕事を辞めた人の「本音」 「収入は10分の1」でも全く後悔がない理由

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加藤さんは、まだキャリアブレイクをいつ終えるか決めていない。「まだ、先延ばしにしていたことがたくさんある。それはちゃんとやりきってしまいたいと思って」(加藤さん)。 

まだその最中ではあるが、加藤さんの人生にとって、キャリアブレイクはどのような意味を持つ期間になりそうなのだろうか。尋ねると、「人生には、仕事以外にも大事なことがあると気付くことができた期間でした」と教えてくれた。 

「実はこの期間に、自分たちの家族の先祖のことを調べてみたこともあったんですよ。その作業は、自分自身のアイデンティティを考え直す機会にもなりました。そんなふうに、人生を豊かにするうえで大事なことって、仕事以外にもたくさんあると思うんです」 

しかし一方で、「自分は恵まれていたと思う」とも付け加える。履歴書にブランクが空いても、その後も仕事は得ることができると信じられるだけのスキルと経験があったからこそ、一歩を踏み出せたのだ、と。「これが25歳や30歳のときだったら、踏み出せなかったかもしれません」。 

ひたすらに、がむしゃらに働いてきた20代、30代があったからこそ、こうして立ち止まる勇気が持てたともいえる。 

(撮影:山中散歩)

人生における重要事項と向き合う機会 

加藤さんの話が教えてくれるのは、キャリアブレイクが「先延ばしにしてきた大事なことに取り組む期間」になり得るということだ。 

そう考えると、「履歴書の空白」のポジティブな側面が見えてくる。「何もしていない期間」と思われることもあるこの期間が、実はむしろ人生において重要な事柄と向き合う、絶好の機会になることもあるのだ。 

山中散歩さんによるキャリアブレイク連載、過去記事はこちらから
病気、育児、介護、学業など、さまざまな理由で、働くことができない時期があった方を募集しています。取材にご協力いただけます方、ご応募はこちらよりお願いいたします。
山中 散歩 生き方編集者

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やまなか さんぽ / Sanpo Yamanaka

「生き方」に文章、写真、対話の場づくりを通して向き合っている。現在の関心領域は家族、パートナーシップ、キャリアブレイク、ナラティブ。関わっているプロジェクトは「グリーンズジョブ」「Proff Magazine」「ほめるBar」など。東洋経済オンラインにて「キャリアブレイク〜履歴書の空白と生きる」、greenz.jpにて「ほしい家族をつくる」を連載中。三度の飯より散歩が好き。

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