まぶしいほど幸せそうな新婚生活である。そんな直樹さんも、30代になってから頻繁に参加していた合コンや食事会では苦戦を強いられた。直樹さんが女性に求める条件は、美人で、会話が弾み、おカネにルーズでなく、変なこだわりがないーーの4つだ。何度も出会いを繰り返していると、楽しく会話ができる女性とも巡り合うのだが、肝心の相手が自分に本気になってくれなかった。
「清楚な外見なのに下ネタもできる2歳年上の女性を好きになったこともあります。話していてとても面白い人でした。でも、3回ほど食事に行っていたら、『あなたは旦那にするにはいいけれど、恋人としては物足りない』と言われ、オレには興味がないんだなとあきらめました。その後、彼女は別の男性と結婚したようです」
失敗続きの合コン経験が、蓄積され知恵になる
確かに面白い発言をする女性ではあるが、「物足りる」刺激的な恋人と結婚したのだとしたら、今頃、夫は浮気をしている可能性がある。誠実で穏やかな直樹さんを選んでおけばよかったと後悔しているかもしれない。
直樹さんも反省をした。早めの結婚を望むあまり、合コンなどで前のめりになりすぎていた。無理をしてもいい結果は出なかった。結婚をあきらめたわけではないが、ガツガツするのはやめよう。
昨年の夏、肩の力を抜いて参加したビアガーデンでの飲み会で出会ったのが陽子さんだった。ノースリーブの黒いワンピース姿が目立つ美人で、20代前半はマリンスポーツと海外体験を重ねたアクティブな女性だ。
「いろいろ話をしていて違和感がなかったので、LINEを交換して翌日からやり取りを始めました。何度も合コンをしていると、『誘えばデートできるのか、頑張っても無駄なのか』ぐらいは初対面での会話でわかるようになりますよね。後から聞いたら、ほかの参加男性たちからも連絡が来たそうです。でも、僕がいちばんやり取りの回数が多くて、内容もいい感じだったと聞きました」
女性経験が少ない男性は、「親しく話せる女の人ではなく、会話らしい会話をしていない人を、見た目や雰囲気だけで好きになる」という一方的な恋愛に陥りやすい。アプローチされた相手は、「どうして私を選んだのか。というか、あなた誰?」と戸惑うだけだろう。学生時代までに適度な女性経験を積めなかった直樹さんや筆者のような男性には、実りの少ない合コンへの参加も無益ではないのだ。同じ失敗を10回ぐらい繰り返せばさすがに学習する。
一方の陽子さんは、かなりモテてきた女性なのだろう。発言に経験と余裕を感じる。遊び尽くして20代の終わりを迎え、「刺激的な恋人」よりも「誠実な結婚相手」を探していたのだと思う。
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