リスクを取らなきゃ金持ちには絶対勝てない カリスマ投資家が教える分散投資のコツ

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これまで、リスクの話をしてきましたが、私はむやみにリスクを取れと言っているわけではありません。リスクを取りながら、上手にリスクをヘッジすることは、投資でも人生でも大切なことです。「リスクマネジメント」の大事なコツをお伝えしましょう。

「リスクマネジメント」のコツとは?

投資の世界には「卵はひとつのカゴに盛るな」という格言があります。卵をひとつのカゴに入れておくと、それを落としたら卵はすべて割れてしまいます。けれど、複数のカゴに入れておけば、ひとつのカゴを落としても、ほかのカゴは残りますから、被害を最小限に抑えることができます。

投資も同じです。ひとつの銘柄や投資信託に投資するよりも、複数の銘柄や投資信託に「分散投資」をしたほうがリスクは低くなります。「投資先A」が下落しても、B、C、Dが順調であれば、全体としての影響を少なくできるのです。

では、どうすれば分散投資を成功させられるのでしょうか。分散投資の防御力を高めるにはコツがあります。

それは、「好奇心を持つこと」です。

実は好奇心がなければ、分散投資はできません。分散投資をするときは、「自分が投資しているもの以外に、リターンが得られるようなものはないか」を探すわけですが、それこそが「好奇心」だからです。

以前、日本銀行総裁を務めていた福井俊彦さんが、東京証券取引所のセミナーで基調講演を行ったことがあります。そのとき福井さんの言葉が……。

「リスクを最小化させるのは、好奇心の多さである」

です。好奇心が旺盛な人は、いろいろな対象にトライするので、結果としてリスクが低くなる。日本株にせよ海外債券にせよ、会社(国)に興味や関心があるからこそ、あらゆる投資先に目を向けることができるのです。

好奇心が分散すれば分散するほど、リスクが減ります。アジア株、日本株、アジアの債券、ブラジル、アメリカ株……に投資をするとき、知識のないまま投資をすると、リスクが高くなります。けれど、「ブラジル株はどうなっているのだろう」「株はどういうしくみで動いているのだろう」「アメリカにはどういう会社があるのだろう」と、好奇心を分散させれば、たくさんの情報を集めることができます。

好奇心を持つほど、チャンスも増えるし、リスクヘッジにもなる。

「見たい、聞きたい、知りたい」という気持ちがあれば、知識と経験の量が増えるので、さまざまな投資先を「素直」に検討できるようになるでしょう。

逆に、世の中への関心が希薄な人ほど、リスクを恐れます。あふれるような好奇心があれば、リスクは自然と減り、リターンの可能性が高まるのです。

藤野 英人 投資家。レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長CEO&CIO

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ふじの ひでと / Hideto Fujino

1966年富山県生まれ。国内・外資大手投資運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年に独立しレオス・キャピタルワークス株式会社を創業。とくに中小企業株および成長株の運用経験が長い。「お金」や「投資」を通して、株式会社や日本社会、世界経済のあるべき姿を模索し続けている。教育にも注力しており、東京理科大学上席特任教示、叡啓大学客員教授、淑徳大学地域創生学部客員教授も務める。著書に『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)ほか多数。

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