それを裏付けるのが、未婚者と既婚者との中央値年収格差です。30代の有業既婚男性の都道府県別年収中央値を計算し、それぞれ未婚と既婚の中央値の差を求めて、それの2012~2022年の増減と未婚率の増減をプロットしたものが以下のグラフです。明らかに、未既婚の年収中央値格差が広がっているほど未婚率が高まることがわかりました。相関係数は0.6311ですから、強い正の相関があります。
誤解のないように、これはあくまで2012~2022年の増減率ですから、マイナスとなっているものが既婚より未婚の年収中央値が高いということではなく、その格差幅が10年前に比べて減少しているという意味です。
中央値以上稼いでいる者だけが結婚できるように
未既婚格差が広がっているということは、そのエリアでは、ある程度の年収以上でないと結婚に至らないということを示しています。わかりやすくいえば、中央値以上稼いでいる者だけが結婚でき、中央値では結婚できなくなったということです。ですから、全体の婚姻数が減っているわけです。
個々の都道府県の値云々より、ここで大事なのは、未婚と既婚の年収格差、結婚できない者とできる者との年収格差が大きくなっているところほど未婚率が増える傾向にあるという全体の流れです。
あわせて、この10年間で、未婚の年収中央値の増加率とその中央値未婚率増減との相関も見てみましょう。
こちらは逆に、未婚男性の年収中央値があがればあがるほど、未婚率は減少するという強い負の相関になります。
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