新年相場に備えよう!「2025年注目テーマ」総予習 "押さえるべき要点"を永濱エコノミストが解説
ドナルド・トランプ次期大統領は11月、来年1月20日に予定される二度目の就任式を待たず、対米輸出関税の大幅引き上げをぶち上げた。日本では来夏に予定される参議院議員選挙を前に「年収の壁」撤廃に与党が重い腰を上げ、手取りアップが期待される。
一方、日本銀行は連続利上げに強い意欲を隠さず、潜在的な円高圧力が増している。不透明感の強い来年の景気・経済をどう読むか。第一生命経済研究所首席エコノミストで景気循環学会常務理事の永濱利廣氏に聞いた。
アメリカはインフレ加速
Q トランプ氏の再任でアメリカはインフレ加速?
トランプ氏の政策の大半がインフレを加速させるだろう。国内産業保護を目的とした高関税政策は輸入物価上昇を招き、移民排除は労働力不足に拍車をかけ、賃金上昇圧力となる。公約に掲げ再選の原動力となった大型減税も、強力なインフレ要因だ。
トランプ氏の主張は1期目(2017〜2021年)と大枠で同じだが、異なる点が2つある。前回はディスインフレ、つまりデフレではないがインフレ率は低水準だった。今回は40年ぶりのインフレが沈静化する途上で、物価上昇が再燃するリスクを抱えたままだ。
ただ、トランプ氏はシェールオイル・ガス増産も主張。需給の緩みからエネルギー価格が下がれば、インフレ圧力が抑制される可能性もある。
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