長久手市、「快適度日本一」の街が目指すもの 2期目の市長の目標は「わずらわしい街」

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――その危機感の根底にあるものは。

30年間、老人ホームを運営してきた。家族から切り離された老人はとにかく寂しい思いをする。それなのに職員は忙しくて声も掛けられない。いくら立派な施設でも、入居者は自分が必要でないと思ってしまう。
私の就任直前、東日本大震災が起こり、同じようなことを痛感した。普段からお互いに声を掛け合って、助け合うことが命を救う。防災や高齢化はカネで解決できない。今までの行政ではもう対応できないと思い知らされた。

「行政は皆さんを助けられません」

吉田 一平(よしだ いっぺい)/1946年生まれ。商社勤務を経て81年に「愛知たいよう幼稚園」を設立。学芸会などのイベントはせず、子どもたちを一日中、雑木林などの屋外で遊び回らせるユニークな運営で注目され、86年には特別養護老人ホームの運営にも乗り出した。2011年8月に当時の長久手町長選に出馬し初当選。2012年1月から市制移行で長久手市長に。トレードマークは常に着ている「まちづくり、まずは笑顔でこんにちは」の標語が書かれたオレンジ色のベスト

だから就任後、「行政は皆さんを助けられません」とはっきり言った。そして市が一括でやっていた防災訓練を、小学校区単位でやってもらうようにした。孤独死や認知症患者の徘徊対策などもそうだ。まだ人口が増えているからこそ、できるだけ早く行政を小さい単位にして、自分たちでまちを運営してもらわなければならない。そして市民が総力を挙げて人口減対策に取り組んでほしいと呼び掛けた。

――具体的な施策は。

6つの小学校区に「まちづくり協議会」を設けることにした。これまでの自治会や子ども会は、それぞれに役所の部署と直結して、結局は「縦割り」。同じ地域でも、互いに連携が取れていなかった。そこで校区単位で各団体が集まれる場をつくり、それぞれの課題を話し合ってもらうことにした。やることが決まり、必要なら市が予算を付けて事業化する。今は2カ所がモデル地区となっており、防犯カメラの取り付けなどが決まった。小学校区だとせいぜい半径500メートルぐらいで、お互いの顔が見える範囲。ただ、うちには古い街と新しい街があり、校区によって街の様相や課題はぜんぜん違う。すべて違っていいと思っている。

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