「中小企業診断士」資格で開業はどうすればいい? 「老後を見据えて無理のない範囲で」と考えるのは危険

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クライアントの中小企業経営者の多くは、自宅など自分の財産を銀行借入金の担保に入れて、まさに人生を賭けて経営しています。セミリタイアし、安全な場所に身を置いているシニア診断士から「リスクを取って攻めろ!」「死ぬ気で頑張れ!」とアドバイスされても、経営者の心には響きません。

また一般にコンサルティングは、その場限りの単発のアドバイスではありません。クライアントは、信頼できるコンサルタントとは長期的な関係を築きたいと考えます。年齢的にいつ店じまいするかわからないシニア診断士はクライアントにとって不安です。

独立開業には相当な覚悟が必要

『企業内診断士のリアル: 資格取得がゴールじゃもったいない』書影
『企業内診断士のリアル: 資格取得がゴールじゃもったいない』(税務経理協会)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

よくシニア診断士は「別に成功して大儲けしたいわけじゃない。会社勤務で培ったスキル・経験を生かして中小企業や地域に貢献したいだけだ。ほどほどに仕事ができればいい」と言います。しかし、この考え方はいかがなものでしょうか。

真剣勝負の企業経営の世界に、「ほどほどに仕事をしたい(=楽をしたい)」というシニア診断士が入り込む余地はほぼありません。現役時代並みにバリバリと働くか、仕事とは距離を置くか、どちらかで、自分が望むだけほどほどに仕事したいというのは、かなり身勝手な考え方です。

もちろん、例外的にしっかり活動しているシニアもいます。しかし定年退職後でも、定年前でも、独立開業には相当な覚悟が必要ということはたしかなようです。

日沖 健 経営コンサルタント

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ひおき たけし / Takeshi Hioki

日沖コンサルティング事務所代表。1965年、愛知県生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。日本石油(現・ENEOS)で社長室、財務部、シンガポール現地法人、IR室などに勤務し、2002年より現職。著書に『変革するマネジメント』(千倉書房)、『歴史でわかる!リーダーの器』(産業能率大学出版部)など多数。
Facebook:https://www.facebook.com/takeshi.hioki.10
公式サイト:https://www.hioki-takeshi.com/
 

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