「妻が死んでくれた」と動画配信した67歳の暮らし 今の自由は妻と過ごした時間があったからこそ

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「みんなお金のことが気になるんですよね。僕も最初はそうで、年金11万円だけで暮らせるのかって不安でした。でもね、なければないなりに生きていくしかないんです。

それに小さく稼ぐ方法なら、頑張って探せば結構あるもんです。近所を見まわせばスーパーなどのパートの募集は結構あります。転職サイトみたいな、人が殺到するところで探そうとするから、難しいんじゃないのかな」

昨今老後不安から、貯蓄や投資を勧める向きがある。しかしぺこりーのさんは、貯めるよりも稼ぎ続ける方が大切だという。

「できるだけ若いうちからひとり立ちできるスキルを、できれば複数にわたって磨いておくことです。

僕は会社員経験を生かして、フリーのコンサルタントとしても働いています。またYouTuberとして稼ぐのには、会社員時代に培ったコンテンツマーケティングの知識を生かしている。

会社で長年働いて得たスキルって、実は相当なもの。それを必要とされる場は、年齢を重ねていたとしても、きっと見つかると思いますね」

ぺこりーのさんも貯蓄を増やそうと、過去に証券会社の人に勧められて投資信託を始めたことがあったという。

「『これをやれば安全にお金が増えますよ』なんて言われてね。でも全然ダメで、気がついたら元本も危うくなってて。もう撤退したのですが、冷や汗ものでしたよ」

ぺこりーのさん
「老後資金を取り崩すだけだと心理的負担が大きい」とぺこりーのさん(撮影:大澤誠)

新NISAやiDeCoを含めれば、今は投資が基礎的な生活防衛の手段と思われている。しかしぺこりーのさんは過信は禁物だという。

「結局、人に勧められたことを鵜呑(うの)みにしちゃダメ。自分がよくわからないことに手を出すと、たいてい痛い目を見ます」

どれだけ貯蓄があろうと、それを取り崩すだけの老後は心もとない。投資だって、絶対安全なものなどない。それならば老後に自分の得意なこと、好きなことでフリーランスとして稼げるスキルを磨いておくのも、重要な生活防衛の手段なのだ。

「幸せだった」そして今思うこと

ぺこりーのさんが取り組む「心が動くこと」の中心には、いつも妻や娘の存在がある。それは妻が亡くなり、娘がひとり立ちした今も同じことだ。

「ひとりになった今も、妻との幸せな思い出はいつもそばにあります。今の時代、『コスパが悪いから結婚しない』なんて話を聞くけど、それは共感できないですね。僕は妻と過ごした時間があったからこそ、今こうしてひとりでもやっていけるのだと思っています」

パートナーが使っていたステンレス鍋
パートナーが使っていたステンレス鍋。某通販のセットで30万円ほどしたそう。「当時は新婚とはそういった道具を買ってあげるものかなと思って、高いなと思いつつ購入しました。でも、モノはいいですよ」(撮影:大澤誠)
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