斎藤氏再選が示す「ポピュリズム到来」日本にも 「大衆迎合」と片付けられない潮流、ネットと結びつく
総務省の情報通信政策研究所が実施したメディアの利用時間に関する世論調査の結果を見ると、主要メディアの1日の平均利用時間(平日)は2020年に初めてネットがテレビを逆転した。以後、その差は開き続けている。
2023年の場合、テレビの利用時間が135分なのに対し、ネットは194分となった。新聞はわずか5.2分に過ぎない。
年代別にみるとさらに驚くような数字がでている。
20代から50代まではネットの利用時間がテレビを上回っているが、特に10代、20代のネットの利用時間は4時間を大きく超えている。40代、50代も約3時間となっている。
これに対しテレビの利用時間は10代、20代が1時間を割っている。テレビの利用時間がネットを上回っているのは60代以上だけだ。そして新聞の利用時間は若い世代はほとんどゼロに等しい。
つまり若い世代を中心に多くの国民が、「新聞・テレビ」という伝統メディアから情報を得ることはほとんどなくなってしまったのだ。
ネット空間を飛び交ったSNSや動画
また兵庫県知事選でNHKが実施した出口調査の結果と、上記のネットとテレビの利用時間の年代別比較の結果を見比べると、面白いことがわかる。
出口調査では、若い世代を中心に斎藤元彦氏への投票が多く、2位となった稲村和美氏が斎藤氏を上回ったのは60代以上だけだった。一方、利用時間調査の結果は、若い世代ほどネット利用時間が多く、テレビがネットを上回っているのは60代以上だけだった。
つまりネットの利用時間と斎藤氏の支持は明らかに相関関係にある。
同じような現象が7月の東京都知事選挙での石丸伸二氏の得票や、10月の総選挙での国民民主党の躍進でも起きた。
3つの選挙に共通しているのは、シンプルなメッセージの動画や
特にネット利用時間の長い若い世代を中心に広がることはいうまでもない。これまで選挙に無関心だった若い世代などの層の好奇心に火がつき、遊説を見に行くなどの行動につながっていった。その結果、投票率もあがった。今までにない選挙運動の形態である。
こうした現象を起こしたのは、ネット空間が持つ独特の機能だ。
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