一触即発「イランとイスラエル」戦争始まらない訳 「新しい種類の戦争」に突入している?
「私が平手打ちをすれば、あなたも平手打ちを受ける。そうすれば、ここで身を引くのか、それともやり返すのかを決めることができるという構図だ」イスラエルの元准将で、ワシントン近東政策研究所の国防戦略家であるアサフ・オリオン氏。「事実、両者は時間をかけて計算し、協力し、作戦を練っている」とオリオン氏は付け加えた。
トランプ氏再選で「方程式が変わる」可能性
イスラエルはイランに対して従来のような衝撃と畏怖の念を用いたことはないが、ポケベル攻撃で示されたように、イランの代理人であるヒズボラやハマスに対する攻撃でははるかに抑制的である。2023年10月7日、現在進行中の戦争を引き起こしたハマスのイスラエルへの攻撃は、残忍で抑制のきかないものだった。
イスラエルはそれ以来、ガザ地区を空爆で攻撃し、4万3000人以上が死亡した。レバノンでは、ヒズボラがパレスチナ人との連帯を示すために戦闘に参加した2023年10月8日以降、イスラエルの攻撃によって3300人以上が死亡したと国連は推定している。
イスラエルによるヒズボラとハマスへの"弱々しい攻撃"は、イランが前方防衛と称して長い間依存してきたものであり、イランにとっては打撃である。そして、ネタニヤフ首相の盟友であるドナルド・トランプ氏が再選されたことで、方程式は再び変化した。
トランプ氏の側近であるハイテク企業の億万長者イーロン・マスク氏は先週、イランの国連大使と会談し、テヘランと次期アメリカ大統領との間の緊張を和らげようとした。
しかし、トランプはアメリカの外交政策をイスラエルに有利なものにすると広く予想されており、イラン・タカ派で内閣を固めようとしている。そうなれば、イランとイスラエルの戦争は新たな局面を迎えることになるだろう。
(執筆:Lara Jakes記者)
(C)2024 The New York Times
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