「金王朝」の維持が最優先、独裁が続く北朝鮮

 金正恩氏はすでに父親が持っていた「最高司令官」の称号を引き継いでおり、今後は「国防委員会委員長」と「総書記」をいつ受け継ぐかに注目が集まっている。

ただ、金正恩氏は祖父の金日成氏や金正日氏のような実績がなく、年齢も20代と若い。こうした中、今後の体制について「集団指導体制に進む」との見方は多い。当面は金正日氏に仕えてきた側近に一部の運営を任せ、徐々に金正恩氏の権力基盤を固めていく、というものだ。

しかし、「集団指導体制というのは、北朝鮮にはありえない話」と、韓国・サムスン経済研究所の董龍昇経済安保チーム長は一蹴する。北朝鮮=「金王朝」であり、各分野の責任者が助言をすることがあっても、「最終決断は金総書記がしており、今後は金正恩氏がしていくのが当然」(董氏)だからだ。

しかも、「政権内部では金慶姫(キムギョンヒ)や張成沢(チャンソンテク)など側近中の側近でさえ監視されており、つねにトップが管理する体制になっている」(董氏)。誰かが突出して事を起こしにくい一方、おとなしくさえしていれば身の安全は確保される。この体制が崩れないかぎり、「金王朝」の維持は可能と見る向きが強い。

中国の歩み寄りを懸念する韓国

対外的に北朝鮮が開放政策に向かうかどうかも注目される。

餓死者が出るほど困窮する経済状態を改善するには、外国からの資本を呼び寄せ、活性化させる必要がある。スイスへの留学経験があり、欧米文化に慣れ親しんでいるとされる金正恩氏の経歴から、周辺諸国にも開放への期待は広がっている。実際に「新政権は開放政策を採りたいし、そのようなフシもある」と、ある中国共産党関係者は分析する。 

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