忙しい職場ほど「考えない人」が増える驚きの理由 本人と組織の「ラクしたい」が生んだ悲惨な結果
「考えない社員」に困っている
私は数学的に仕事をする人材を育成する「ビジネス数学」の専門家として、大手企業の従業員研修を行っています。
そのような場で、経営層や部下を持つベテランの方々とカジュアルな雑談をしていると、次のような悩みを告白してくださることがよくあります。
「“自分で考える”ことができない社員(部下)が多くて……」
このような発言を聞くたびに、私は若手や中堅社員に向けた思考力研修の様子を思い出します。
いわゆるロジカルシンキングや問題解決、昨今はプログラミング的思考などをテーマに、さまざまなアプローチで社会人の「考える力」の養成に努めていますが、たしかに「考える」という動作の質がとても低いのです。
たとえば「そもそも、あなたは今の仕事において何をどうしたいのですか?」と質問したとします。答えがすぐに出てくる人はだいたい10%です。ほとんどの人はそんなことを考えたこともないようで、多くの場合、答えに窮してしまいます。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら