ただ、全体的としては依然、女性の管理職は増えていません。確かに、会社の管理職研修などを請け負って、会場に入ると、女性の受講者はわずかです。その会社が新規採用で男性ばかり採用しているわけではありません。にもかかわらず、男性管理職だけの状況。その理由を人事部に尋ねると
・採用人数が少ない
・結婚を機に辞めてしまう
・責任のある仕事を望まない
と昔と変わらない理由に加えて「会社として女性管理職を増やすための施策は取り組んでいる」と、努力していることをアピールしてきます。さらに言えば、管理職に登用するまでの時間を考えれば、10年後には期待が出来る……と先送り?のような発言をする人事部もいます。では、女性リーダーの活躍は将来的に期待できるのでしょうか。
「女性活躍推進法」は追い風になるか
変化が期待できる動きも出てきました。それが、企業に女性管理職が占める割合の数値目標の設定などを義務付ける「女性活躍推進法」の成立。2015年8月末に参議院で賛成多数にて可決。今後は従業員301人以上の企業に、職場における「女性の採用比率」「勤続年数の男女差」「労働時間の男女差」「管理職に占める女性の割合」などについての状況を把握・分析することが義務付けられます。さらに改善への取り組みや数値目標を盛り込んだ「行動計画」の策定や女性の活躍に関する情報も公表しなければならなくなります。
政府が目指す「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%にする」との目標を実現するための“強制ギブス”をはめることにしたのです。
これまで政府は、ポジティブアクションと命名された女性の活躍推進をするための補助金を支給し、推進する企業は表彰もされてきました。ただ、それでも数値的な成果にまで至らない状況が続きました。ゆえに、義務付けというルールで縛らないと女性リーダーは生まれないと政府も判断したのでしょう。
ちなみに先進国で女性管理職の平均は4割程度。アジアでもフィリピン、シンガポール、マレーシアなど、日本より女性管理職の占める割合が高い国はたくさんあります。
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