スシローが急拡大「デジタル回転レーン」の"凄さ" 消費者にも歓迎されるDX化の好例になっている

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まずは、運営コストの圧迫、具体的には魚の値段の上昇だ。円安や地球温暖化による魚の捕獲量の減少、燃料費の高騰により、水産資源の値段がインフレしている。「安さ」を価値の一つとする回転ずし業界にとっては死活問題だ。

スシローでは2022年10月に大規模な価格改定を行い、1984年以来続いていた「1皿100円」が終了。また、同じ時期にくら寿司も値上げに踏み切っていて、同じく100円皿が終了している。厳しさの一端がうかがえるだろう。

こうした状況に加え、回転ずしチェーンの国内店舗が飽和している問題もある。日本ソフトが発表している寿司チェーンの店舗数ランキングによれば、業界全体の店舗数は2024年7月段階で4164店舗。昨年7月の4201店舗よりもわずかに減少している。実は、2年連続でその数は減少していて、国内店舗数の天井が見えてきた形だ。

実際、スシローの運営会社であるFOOD & LIFE COMPANIESの2024年9月期決算資料を見ると、近年力を入れている海外出店が42店舗の増加に対して、国内の新規出店数は5店舗の増加にとどまっている。

こうした中、DX化を行って店舗運営効率を上げたり、より魅力的な店舗空間を作って国内の回転ずし客のシェアを取っていかなければ、成長の伸びしろはないわけだ。

店側にとってメリット満載のデジロー

そんななか取り入れられたデジローは、店側にとってこうした問題を解消するメリットがふんだんに詰められている。

スシロー
出所:株式会社FOOD & LIFE COMPANIESの説明会資料

1つ目は、キッチンの作業効率の高まりだ。注文にかかわる人的コストを減らすことができ、店舗運営の能率が上がる。

実はスシローでは、デジローにくわえて「オートウェイター」というシステムも導入しているが、これはタッチパネルで頼んだ商品が自動でテーブルまで運ばれてくる仕組み。デジローとの合わせ技で店舗運営の効率アップに大きな貢献を果たしている。

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