9日間で世界一周し破格「100万マイル」Getなるか 話題のスカンジナビア航空キャンペーンに挑戦

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だが、航空会社によっては公式サイトでの購入時に予約クラスが不明なことがある。これも航空会社に電話したり、先述したエクスペディア(ここではすべての航空券の予約クラスが購入時にわかる)を利用したりすることでクリアした。

3つ目、これが最大の課題なのだが、全フライトにうまく乗り継げるかどうかである。

日程にゆとりをもたせられる、時間に余裕がある人ならさほど問題にならないが、筆者のように9日間に22フライトも乗り継ぐ場合、これが最大のリスクといえる。

実際、このキャンペーンについての有益な情報が集まるウェブ掲示板フライヤートーク「EuroBonus Millionaire」でも、この点を懸念する声は非常に多かった。何しろ15フライトが1フライトでも欠けたら獲得マイルがいきなり100万マイルから10万マイルとなってしまうからだ。

周知のとおり、飛行機には遅延がつきものである。仮に1フライト98%の可能性で次の便に乗り継げたと仮定すると22フライトの場合、乗りつぎ回数は21回。0.98の累乗で約65%となる。

だが発想を変えて仮に65%の可能性で100万マイルが獲得できるのであれば期待値は65万マイル。1マイルの価値をかりに1.5円と設定すれば約100万円となる。これなら50万円の投資をしても理論上はリターンのほうが高いことになる。

もちろん1分単位で過去のフライト時刻がわかるFlighawareFlightradar24などのサイトで、自分が乗る予定のフライトで大幅な遅延がないかどうか調べておくことは必須である。

近年まれに見る規格外のキャンペーン

それにしても不思議なのは、なぜスカンジナビア航空がこうしたキャンペーンを実施したのかということだ。

もちろん同社がスターアライアンスからSkyTeamに移行し、新たなネットワークを顧客にアピールする機会だという説明はつく。かつては航空会社がその場の勢いで決めたのではないかと思ったほど、こうした大型キャンペーンは少なくなかった。

だが、その後航空会社も学習し、こうした「アバウト」なキャンペーンはすっかり影をひそめていただけに、スカンジナビア航空の今回のキャンペーンが異質なものと感じられる。

何はともあれ、こうしたキャンペーンは計画を立てているときが一番おもしろい。複雑なゲームをクリアするような感覚を覚えるからだ。

今後同様の超大型キャンペーンが出る可能性は決して高くはないだろう。しかし、「ラテンパス」の100万マイルキャンペーンから実に四半世紀近くを経て再び100万マイルキャンペーンが登場した以上、「次」がまったくないとも言い切れない。

今後もこうした規格外のキャンペーンが現れることを期待したい。

橋賀 秀紀 トラベルジャーナリスト

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はしが・ひでき / Hideki Hashiga

東京都出身の50代。早稲田大学卒業。「3日休めれば海外」というルールを定め、ほぼ月1回の頻度で海外旅行に出かける。訪問国は130カ国。共著に『エアライン戦争』(宝島社)など。『週刊東洋経済』で「サラリーマン弾丸紀行」を連載した。Yahoo!ニュース エキスパート。記事の内容についてのお問い合わせ・取材の依頼などについてはこちらまで。

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