"内定辞退"を防ぐ「オヤカク」に不可欠なツール 自社の情報を「事前に提供」することが大切
採用担当者はこのような背景を踏まえ、親に安心してもらうための施策を考える必要があります。
さまざまな「オヤカク」の方法
ここからは、オヤカクの具体的な方法を解説していきます。
学生から親の連絡先を教えてもらい、採用担当者が直接電話をします。
まず挨拶・自己紹介をし、自社の事業や組織風土を説明したうえで、親にとっての不安のヒアリングと回答を行ないます。
この方法のメリットは、親と直接コミュニケーションを取ることができ、不安材料をその場で解消できる場合があることです。
電話確認は手軽に実施できる反面、親と採用担当者が互いに表情を確認できず、信頼関係を構築しきれない(結果的に親の不安を解消しきれない)こともあり得ます。
そこで、電話でアポイントを取り、直接自宅へ伺う、もしくは自社に来社してもらうなどして、実際に対面した状態で個別面談を実施するケースもあります。
一例として、地方銀行や信用金庫などでは、親世代は顧客でもあるため、営業も兼ねて人事部長と採用担当者が内定者の保護者宅へ挨拶まわりを行なっているようです。なお、対面での面談が困難な場合は、双方にPCやカメラ等の環境が整っていれば、ビデオ通話による面談でもよいでしょう。
内定者数が比較的多い企業の場合、複数の親を集めた「オヤオリ(親向けオリエンテーションの略)」を実施することもあります。
具体的には、内定者の親を集めた懇親会や説明会を実施します。入社前のプレ保護者会のような位置付けで、親同士の関係性づくりが可能です。また、懇親会や説明会の前後には、オフィスツアーを組み合わせて自社の様子を直接見てもらうのも有効です。
ただし、こういった複数の親と一堂に会するイベントは、親と採用担当者の間で一定の信頼関係を築いてから実施したほうが参加率は高まります。
以上、3つのオヤカクについてみてきましたが、最も丁寧に行なうのであれば、3つの方法を組み合わせるとよいでしょう。
② 個別面談で親と採用担当者の関係構築を行なう
③ 懇親会とオフィスツアーで親同士を繋ぐ
といった流れがベストです。
ところで採用担当者からすると、本気で採用したい学生であれば、すぐにその親を直接説得したいと考えるのが本音でしょう。