【アイドル摘発】「路上ライブ」取り締まるべきか 新宿駅東南口での"事件"から考える是非

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今回、この報道がなされた後、それでもなお南口、東南口で路上ライブを続けるアーティスト数名に匿名ではあるが話を聞くことができた。あるアーティストはこう答えてくれた。

「新宿駅前は圧倒的に人が集まりやすいですしCDやライブチケットも多く売れます。それに何よりもメジャーになりたいんです。ここで売れていった人たちたくさんいるじゃないですか。そうなりたいんです」

路上アーティストの免罪符

このアーティストに限らず共通していたのは「これまで路上から売れていったアーティストのように自分も売れたい」ということである。

いまはメジャーのあのアーティストも以前、ここで路上ライブをしていた。だから自分もというのはアーティスト側からすれば十分な理由であろう。

だが、この言葉がある種、路上アーティストの免罪符のようにもなっており、そこから行き過ぎた迷惑行為となるパフォーマンスを行うものが現れたのもまた事実である。

近頃では炎上商法というものもある。「悪名は無名に勝る」ではないが、無名のアーティストで終わるくらいなら捕まっても話題になったほうがいいと考えるものがいてもおかしくない。なかには警察とのやりとりを、あえてSNSにアップするものもいる。

南口および東南口の路上は売れたいと日々努力するアーティストにとってはまさに自身の人生を左右する場所である。

筆者自身、取材を通して単に道路交通法違反といったもので路上ライブを取り締まり、済まされていいものなのか改めて考えさせられた。

*この記事の続き:路上ライブは「グレーな文化」として容認すべきか

東南口での路上ライブには開始後、多くの人が集っていた(筆者撮影)
松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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