今回、この報道がなされた後、それでもなお南口、東南口で路上ライブを続けるアーティスト数名に匿名ではあるが話を聞くことができた。あるアーティストはこう答えてくれた。
「新宿駅前は圧倒的に人が集まりやすいですしCDやライブチケットも多く売れます。それに何よりもメジャーになりたいんです。ここで売れていった人たちたくさんいるじゃないですか。そうなりたいんです」
路上アーティストの免罪符
このアーティストに限らず共通していたのは「これまで路上から売れていったアーティストのように自分も売れたい」ということである。
いまはメジャーのあのアーティストも以前、ここで路上ライブをしていた。だから自分もというのはアーティスト側からすれば十分な理由であろう。
だが、この言葉がある種、路上アーティストの免罪符のようにもなっており、そこから行き過ぎた迷惑行為となるパフォーマンスを行うものが現れたのもまた事実である。
近頃では炎上商法というものもある。「悪名は無名に勝る」ではないが、無名のアーティストで終わるくらいなら捕まっても話題になったほうがいいと考えるものがいてもおかしくない。なかには警察とのやりとりを、あえてSNSにアップするものもいる。
南口および東南口の路上は売れたいと日々努力するアーティストにとってはまさに自身の人生を左右する場所である。
筆者自身、取材を通して単に道路交通法違反といったもので路上ライブを取り締まり、済まされていいものなのか改めて考えさせられた。
*この記事の続き:路上ライブは「グレーな文化」として容認すべきか
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