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闇バイト描く「3000万」NHKで異色作なぜ誕生? 安達祐実はじめ、キャスティングも絶妙すぎる

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安易に高額のバイトに手を出すと底なし沼に陥ることになる。にもかかわらず、昨今、闇バイトによる強盗殺人事件があとを絶たない。高齢者たちが家に押し入られボッコボコに暴行され金品を奪われる。

その恐れから防犯グッズがにわかに売れているらしい。年金暮らしで戸建て住まいの高齢者は戦々恐々。それ以外の市民も心配な毎日。そんなとき、『3000万』は、闇バイトにうっかり巻き込まれる小市民側の心境と状況を丹念に活写している。

若者が巻き込まれていく事件を追う側のドラマは、NHKでこれまでも制作されていた。たとえば、オレオレ詐欺を追う『サギデカ』(2019年)などである。『3000万』は罪を犯した側が主人公であることが珍しい。

どんどん深みにハマっていく2人(画像:NHK『3000万』公式サイトより)

絶妙なキャスティング

幸か不幸か、家族のように親しくしていた人物が事件を追う刑事・奥島(野添義弘)で、何度も3000万円を返す機会は訪れる。相談に乗ってもらうこともできた。にもかかわらず、お金を持ったままどんどんと悪いほうに転がっていってしまう主人公たちにイライラすることもしばしば。

でも、この愚かな夫婦がどうなるのか目が離せない。海外ドラマ『ブレイキング・バッド』(2008年)などに見られる、主人公が悪事に手を染め変貌していくようなエンタメ性、中毒性があるのだ。

犯罪には闇の組織が絡んでいるため、関係者を葬ったりかばったりしていたら、そのうち殺されてもおかしくない気もしてドキドキハラハラするが、主人公だから、途中で殺されたりはしないだろう。

でも夫婦をあたたかく見守っている、定年を迎えた人情刑事・奥島が深みにはまって殺されてしまうパターンはこの手のクライムサスペンスあるあるで、そうなるのではと心配になる。祐子たちを追い詰める闇組織の人々が不気味でかなり怖く、不安が募る。

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【何者かわからない緊張感が増している】

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