ジャパネット2代目に聞く「地方企業の生きる道」 通販に次ぐ柱としてスポーツ・地域創生に注力

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そのためにも私自身が会社を俯瞰できる存在であり続けなければいけないし、世間的に間違ったことを選択しないよう自分を律しているつもりだ。日々の会議でも社員が私と反対の意見を言える空気があるし、6対4くらいで自分のほうが正しいと思っても社員に譲ることがある。そのように自分を律していれば非上場でもガバナンスを心配する必要はない。

──従業員数約5000人、連結売上高2621億円と順調に成長していますが、今後の見通しは?

毎日8つくらいの事業部門と会議をするが、どの会議でも明るい話題が飛び交う。来年1月に開局するBS放送局「BS10」のチームからも面白いアイデアがどんどん出てくる。旅行事業も5年後には1000億円の大台というのが見えてきた。すべての事業が順調にいけば10年後、売上高が1兆円規模に達していてもおかしくない。

──中堅・中小企業の経営者からは人材不足を嘆く声も聞かれます。

優秀な人がいい仕事をするのは当たり前。思いがあれば、ポテンシャルを引き出すことによって人は必ず伸びる。その成長のための環境を整え、ヒントを置いておくことが会社の役割。ヒントを拾うか拾わないかは本人次第だ。

リスクを取ってでもやりきる

──中堅企業が社会に果たす役割をどう捉えていますか。

企業は存在している以上、誰かに必要とされている「強み」がある。その強みを信じて本気で磨き、いいと思ったことを、リスクを取ってでもやりきる。そんな中堅企業が増えれば、日本は必ず元気になると信じている。

このスタジアムシティも、絶対に成功させたいが、一方でダメなら終わりとも思っていない。仮に失敗してもほかの事業で成功すればよい。そういう機運が日本の中堅企業にもっと生まれなければいけない。親などから事業を承継した人もチャンスと思ってチャレンジしてほしい。

(聞き手:木皮透庸・劉 彥甫、構成:ライター 堀尾大悟)

堀尾 大悟 ライター

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ほりお だいご / Daigo Horio

慶応大学卒。埼玉県庁、民間企業を経て2020年より会社員兼業ライターとして活動を開始。2023年に独立。「マネー現代」「NewsPicks」「新・公民連携最前線」などで執筆。ブックライターとしても活動。

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