「103万円の壁」めぐる国民・玉木代表の立ち回り 自民税調、妥協案で玉木氏の取り込み狙う
これに対し自民側は「今日は要求を聞くにとどめ、改めて党内で関係者と詰めたうえで回答したい」と今後、政調会長レベルでの協議を通じて結論を出す考えを伝え、国民民主側も了承した。さらに、石破首相と玉木代表が11日の党首会談の中で政治改革など他の課題と合わせて、経済政策についても意見交換することも確認した。
これに先立ち、国民民主は6日、自民党への要望項目とりまとめのための会合を開催。毎日新聞の記事によると、その中で玉木氏は「抜本的な改正は税制改正などを伴うが、前倒しで補正対応できるものについてはエネルギー価格の高騰対策も含め、速やかに一つ一つ実現につなげていきたい」と述べ、政府が今月末にも策定する今年度補正予算案への要求内容盛り込みに強い意欲を示した。
ポスト求めず、「年収の壁」大幅引き上げを最優先
そもそも、衆院選を通じて玉木氏が指摘した「103万円の壁」とは、所得税がかかり始める年収103万円の課税基準のことだ。その内容は、超高所得者以外が対象の基礎控除(48万円)と、給与額に応じて一定額を差し引く給与所得控除(55万円)の合計である103万円を超える年収になると、所得税の支払いが生じることを指している。
例えば年収105万円のパート従業員の場合、控除分の103万円を差し引いた収入2万円に対し、所得税5%分(1000円)が課税されるなど、手取り収入が減ることがパートやアルバイト従業員の働き控えにつながる「年収の壁」の1つとなっている。
しかも、所得税の支払いだけでなく、103万円を配偶者手当の支払い基準とする企業もあるため、収入減も意識して就業調整する世帯もあるとされる。この「年収の壁」には、他にも企業規模などに応じて社会保険料がかかり始める「106万円の壁」や「130万円の壁」などがあるが、国民民主は今回「103万円の壁」に絞って、自民と交渉する方針だ。
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