トラブル時の「新幹線ホテル」実際に泊まってみた 車内で何人が寝ているのか、快適に眠れるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その日、私は岡山から新幹線に乗車し、東京に向けて帰っていた。乗り鉄である私は、行きは東京から臨時便の寝台特急サンライズ出雲91号に乗り、翌日からは18きっぷを使って木次線で備後落合へ行くなど、鉄道旅を満喫していた。サンライズを1泊とすると、4泊5日の旅だった。最終日も18きっぷを丸一日使い倒していたので、当然、岡山から東京へ向かう新幹線は、ほぼ終電となった。

通常、乗り換えの多い18きっぷ旅では、途中で列車が1つでも遅延した場合、計画がすべて破綻するので、終電は避け、なるべく余裕を持って予定を組むようにしている。しかし新幹線に対しては無防備だった。安全で正確、と絶対的な信頼を置いていたからである。

帰りの新幹線ではいつもどおり、お酒とつまみを買って乗った。疲れていたこともあり、飲んで食べたら、すぐ寝てしまった。

ホームの駅売店も営業する?

深い眠りについていたところ、車内放送で目が覚めた。

「まもなく終点の東京です。17番線の到着、お出口は左側です。お客様に休憩用列車についてご案内いたします。本日は東京から新横浜駅で発生しました大雨の影響により、電車が遅れ、ご利用のお客様には大変ご不便をおかけしております。終点東京駅では、朝5時までご利用いただけます新幹線車両をご用意いたしております。休憩用列車をご利用されますお客様は、東京駅到着後、駅係員がご案内いたします」

休憩用列車という言葉で、ようやく新幹線が遅れたことに気づき、時計を見る。時刻は23時半過ぎ。寝ぼけたまま、とりあえずスマホの乗り換えアプリで、家までの経路を検索してみた。路線は全て真っ赤、つまり大幅に遅延している、もしくは停まっているという表示。

これは、帰れない……? もし無理をして帰ったとしても、ものすごく時間がかかりそうだ。大雨だから、地元駅からはタクシーを利用したいが、駅にタクシーがいるのかもわからないし、大行列に違いない。

いろいろ想像した結果、休憩用列車、つまり「新幹線ホテル」を利用させてもらうことに決めた。

「まもなく16番線に到着するひかりが、そのまま休憩用列車になります。ホームでお待ちください」と駅員さんが案内してくれた。構内で開いているコンビニがないか聞いてみると、「通常は休憩用列車のホーム売店が開くと思います」との回答。なるほど、それは助かる。

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事