マクドナルド「SNSでまた物議」失敗と言えぬ理由 「いまだけダブチ」キャラが"性的な2次創作"の餌食に…
最近、ジェンダー表現は非常にセンシティブな問題になっており、炎上しやすい。しかし筆者が見る限り、今回のマクドナルドのケースではリスクマネジメントは十分にできていたように思う。
2010年代には、広告やPRにおけるジェンダー表現で多くの炎上が起こったが、その中には、大手企業、自治体や官公庁の事例も多数含まれている。
アニメキャラクターに関するもので言えば、三重県志摩市の海女をモチーフにする「碧志摩(あおしま)メグ」が挙げられる。このキャラクターは2014年に公開されたが、翌2015年には「性的」「女性蔑視」との批判を受け、署名活動まで起き、志摩市は本キャラクターの公認を撤回するに至っている。
なお、碧志摩メグのキャラクターは非公認となったものの、現在も存続しており、伊勢志摩のPR活動を行っている。
2010年代後半あたりから、女性のキャラクターを活用したプロモーションは飽和し、消費者も食傷気味になり、ジェンダー表現も厳しくなっていったため、下火になっていった。「萌え」という言葉も、すでに死語に近い状態になっている。
ダジャレではないが、下手に「萌え」でバズらせようとすると、「燃え」てしまう(炎上してしまう)ようになったのだ。
ジェンダー表現の問題以外に、SNSの情報発信の裾野が広がり、企業はオタクの情報拡散力に頼る必要がなくなったという時代の変化もある。
「萌え」という言葉が廃れる一方で「エモい」「尊い」「推し」といった言葉が使われるようになったのは、こうした環境変化が背景にある。
そうした流れから位置付けると、マクドナルドの「いまだけダブチ食べ美」の施策は、一見すると時代錯誤にも見える。
すぐ炎上してしまうアニメキャラ
2020年以降にも、アニメキャラクターの「性的表現」での炎上はいくつか見られる。
2021年には、千葉県警が松戸市のご当地女性バーチャルユーチューバー(VTuber)・戸定梨香(とじょうりんか)とコラボした交通安全啓発動画が、露出度の高さを問題視した「全国フェミニスト議員連盟」から「女児を性的な対象として描いている」と抗議を受け、削除されるに至っている。
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