新型iPhoneには強烈な武器が仕込まれている 3D Touchをマネすることは容易ではない

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フォースタッチは指を押しつける強さを検出するもので、他社でも指が触れている面積の変化を検出するものもあるが、アップルの技術はもう一歩進んで強さを正確に検出できるようだ。

これにタプティックを組み合わせ、ギュッと押し下げた時に特定機能が働き、さらに強く押し込むと別の機能へと遷移する様子が指先に伝わる。

たとえばメール一覧で目的のメッセージをギュッと押し下げると”カツン”と振動が伝わり、メッセージを”ピーク(覗くこと)”ができる。そのまま指を離せばメール一覧に自動的に戻るが、さらに強く押し下げるとさらに違う”カツン”が指に戻り、メッセージウィンドウが”ポップ”する。

ちなみにメールの場合、ピークしているときに指を左右にスワイプすると削除やアーカイブがワンタッチでできたり、あるいは上にスワイプさせればメッセージに対する操作アクション一覧が出るといったユーザーインターフェイスが取り入れられていた。

このピーク&ポップが基本ソフト側で管理され、新型iPhoneに対応したアプリのユーザーインターフェイスの幅を拡げるようになっているのだ。
3D Touchは他にも、写真閲覧やアプリ起動時のオプション選択(たとえばSNSソフトで起動時にメッセージ送信を行う画面を直接呼び出すなど)リストを呼び出すなど、さまざまな部分に応用されていた。

4Kビデオ撮影機能や、レリーズ前後合わせ1.5秒を記録するライブフォト機能、カラーフィルターのクロストークを改善し画素数を1200万画素まで増やしたカメラ機能も新しい機能だが、3D Touchが極めて重要な理由は、ライバルが簡単には導入できないと予想されることだ。

他社が追随するのは容易ではない

これはハードウェア技術の面もさることながら、ユーザーインターフェイス特許の問題、それにアプリを開発してもらうための環境作りなど、今からライバルが取り組んでも追いつくのに時間がかかるためだ。

ユーザーが3D Touch機能に慣れ、アプリ開発者も使いこなすようになれば、アップルにとっての大きな武器になっていくかもしれない。

一方、Apple TVは4K映像再生の機能こそ対応していないものの、新リモコンやSiriへの対応、それに”アプリエコシステム”構築へ本格的に乗り出したことで、単なる映像ストリーミングサービスの受信用機器という枠から大きく踏み出すものになった。

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