テレビが選挙報道をやめた結果「起きた大逆転」 玉木雄一郎氏は「YouTube」をどう使ったのか
さて自民・公明の減少分と国民民主の増加分、そして合計の減少分つまり投票しなかった人数を合わせてみると面白いことが見えてくる。
公明の減少分は他の党に行ったと考えにくい。投票しなかった292万票のうち115万はほぼ公明の減少分と推測でき、すると残りは177万票。自民の減少分533万票が国民民主の増加分358万票と投票しなかった残りの177万票に移行したとするとだいたい帳尻が合うのだ。
国民民主の支持者はほとんどが若者層で高齢層は少ないので、今回の投票率が前回より下がったのは自民と公明支持の高齢層が投票しなかったことによると考えていいのではないか。投票率が下がるとすぐに若者のせいにしたがるが、今回に限っては高齢者が投票率を下げたと見ていいと思う。
国民民主党はYouTubeを使って大躍進
さて国民民主が若者に支持されたのはどんな戦術によるものだろう。ここで、公示日直後の10月16日と、11月4日時点での各党のYouTubeチャンネルの登録者数を見てみよう。
どの党もほとんど変化がない。ただ国民民主党とれいわ新選組だけが大きく増加している。特に国民民主はなんと9.5万人も増えた。これは驚きだ。
この数字は日に日に増えており、前回の記事を書き始めた時は5.7万人だったのが記事公開の23日には7.5万人になっていた。10月30日にチェックしたら12万人だったのだが、この連休で3万人増加した。
つまり、国民民主党が上手にYouTubeを使って若者層にアピールしたら自民党から票を奪って大躍進したのだ。議席数を7から28に伸ばしたおかげで、彼らの政策「手取りを増やす」を実現するべく与野党との間でキャスティングボートを握れた。
国民民主はYouTubeをどう使ったか。簡単にいうと都知事選挙での石丸伸二氏の手法をまねた。これは 党首・玉木雄一郎氏も認めていたと思う。
具体的には、街頭演説を政党チャンネルでライブ配信し、集まった支持者にも動画投稿を呼びかけた。これにより、累乗的にYouTube内で国民民主の動画が広がりその場にいなかった人々にも拡散された。
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