ピント合わせ不要、「iPhone7」へ搭載の噂 独IFAでカメラファン注目の新機能

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中国のエレクトロニクスメーカー、華為技術(ファーウェイ)のブースも「後からフォーカス」機能の展示で沸いていた。今年6月に発売されたスマートフォン「honor 6 Plus」の"売り"となる機能だ。

これもパナソニックのフォーカスセレクトやLytroと基本機能は一緒だが、方式が少し違う。通常1つしか付いていないスマートフォンのリアカメラだが、honor 6 Plusには2つ付いているのだ(デュアルレンズ)。2つのカメラを同時に使うことで画像の深度を測定し、好きなところにピントをあわせることを可能にしている。また、絞りを調整し、好きな"ぼやけ方"を指定することもできる。

デュアルレンズはiPhone 7に搭載か

デュアルレンズ自体は台湾HTCも「HTC J butterfly HTL23」などで実装しているが、一般に普及するには至っていない。だが、この状況を打破しうる機種がある。米アップルの「iPhone」だ。もとはiPhone 6sへの搭載が期待されていたが、今では来年発売の「iPhone 7(仮称)」に搭載されるとの見方が有力となっている。

今回のIFAでファーウェイはスマホのフラッグシップモデルとなる「Huawei Mate S」を発表している。この機種の目玉機能は画面をタッチした時に圧力の強さを検知することのできる「フォースタッチ」という機能。軽いタッチと強いタッチとの違いを区別して操作に生かす。

これはアップルの「MacBook」や「Apple Watch」にも搭載されている機能で、今年発売予定のiPhoneへの搭載が確実視されているもの。それをファーウェイが「先取り」した形になる。それ故に、デュアルレンズの方も期待が高まる。

スマホ部品で高シェアを占める日本メーカーは数多いが、カメラ部品も日本が支配的な分野。基幹部品のイメージセンサーはソニーの独壇場で、レンズ駆動をつかさどるアクチュエーターもアルプス電気、ミツミ電機、TDKの3社で市場を分けている。iPhone搭載の噂を裏付けるかのように、日本のスマホカメラの部品メーカーは増産投資を急いでいる。ソニーは前年比2倍の5100億円、アルプス電気も前年比1.5倍となる474億円の設備投資を行う計画だ。

もしiPhoneが採用すれば他社も追随することで一気に普及することになる可能性が高い。日常生活でよくある「ピント合わせに失敗した」という体験がなくなる日が来るのも近いかもしれない。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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