家族の反応は?グレイヘア移行中の彼女のぼやき ピザ屋に「クールな毛並み」と言われて嬉し涙
ー私は以前、自分が”透明人間”であることに不満を抱いていた。今はチェックインから2日後、ホテルの受付の女性が、私がエレベーターを降りた途端に、高層階の部屋はどうかと聞いてくる。「どうやって思い出し……」と言いかけると彼女は自分の髪の生え際をポンポンと叩いた。
ーいつも誰かに会う前にメールをすることにしている。「私の髪、奇抜に見えるから」。ある時忘れてしまったが、遠く離れたところに住む友人が空港の荷物受け取り所に白髪で現れた。私たち2人は笑いに包まれた。
「クールな毛並みですね」と言われ泣きそうに
ー下の娘が2階から「大学のエッセイを読んであげようか」と電話してきたとき、私は「5分だけ待って!」と言った。私は鏡の前でハーフアップ、ハーフダウンのヘアスタイルを試している。
ー私の髪の革命は、偶然にも愛犬の死と重なった。愛犬のフィグ・ニュートンと私はともにこめかみが白くなり、どちらも美容師(フィグ・ニュートンの場合はトリミングの担当者)と複雑な関係になっていた。
ー我が家の猫の1匹は自分の毛を食べる。彼の友人が亡くなり(愛犬のことである)、子どもたちが成長し、ストレスが溜まっているのはわかる。
ーピザ屋のウェイターが「クールな毛並みですね 」と言った。私は感謝の気持ちで泣きそうになった。
ー塩分や塩素で染めた髪が台無しになる心配がなくなった今、泳ぐのがどれだけ好きかを思い出した。
ー母と妹とビーチから戻る途中、ハッと思った。白髪も、足が丈夫なのも、強い意見を持っているのも、ワインが好きなのも遺伝なのだと。このうち1つはほかのものより重要で、ぜひ子どもに受け継がれることを願っている。
ー体力がピークに達するまで待つ必要はない。口紅を塗らなくてもいい。自分の頭から生えている髪をいじらないと決めた理由を説明する必要はない。その姿を愛でる必要もない。人の目を気にする必要もない。
ー気持ちはいつでも変えられる。私はそうするかもしれない!
(執筆:Elisabeth Egan、書評担当ライター)
(C)2024 The New York Times
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