「1杯200円~5万円まで」広がるコーヒーの世界 アジア最大のコーヒー見本市で見た驚きの商品
「近年の浅煎り人気にも応えたフルーツ感のある商品です。看板商品は信州産のリンゴを使ったAPPLEですが、今回反応がよかったのはSTRAWBERRYとBANANAでした。今までにない味わいとして関心を持っていただいたようで、若い世代の方が多く購入されました」と専務取締役の九蘭滉太(くらん・こうた)氏はこう話す。
同社代表の斉藤博久氏は焙煎士でもあり、地元の松本市ではコーヒー店を運営する。そのひとつ「珈琲茶房 かめのや」は2016年オープン。地元民から愛された老舗喫茶店「翁堂茶房」を斉藤氏が引き継ぎ、リノベーションした。
「実店舗がある信頼性もあって、2021年から販売するこの商品も関心が高いです。コーヒーにこういう入口があるのも知っていただきたいですね」(九蘭氏)
1杯どりカップオンは1個5万円の品も
毎年、同展示会やバリスタ競技会で存在感を発揮するのが「サザコーヒー」(本社:茨城県ひたちなか市)だ。「パナマゲイシャ」(パナマ産のゲイシャ品種)を日本に広めた会社であり、今回もさまざまなカップオン(1杯どり)や焙煎豆が展示されていた。
「ゲイシャはフルーティーな味わいが人気の高級品種で、当社社長の鈴木太郎が2009年からパナマで1番のゲイシャを決めるコーヒーオークションで1位の豆を落札してきました。近年はブランドとして浸透したのを感じます」(商品管理部課長の川﨑敦史氏)
例えば「ゲイシャハンター」(1杯どり1個520円)はパナマ・コロンビア・エチオピアのブレンド豆。「パナマゲイシャ エスメラルダ」(同750円)は同国の人気農園であるエスメラルダ農園産で競合店も取り扱う品。1万円を超える「ベスト オブ パナマ」の商品はコーヒーオークションで落札された豆を焙煎した限定品だ。
一方で手頃な価格帯もある。看板商品の深煎り「将軍珈琲」のカップオンは200円台だ。
「コーヒーの世界はワインの世界に似ている」と話す関係者は多い。さまざまな意味合いが込められているが、商品の価格帯が幅広く、その時の気分や予算に応じて楽しめるのもあるだろう。
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