ドラマ脚本も話題「バカリズム」溢れる才能の原点 かつてはコンビ、その頃から才能の片鱗

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この番組をきっかけに、バカリズムは「無表情」「シュール」といったネタのイメージを脱し、笑ったりはしゃいだりする人間味のあるテレビタレントとして業界関係者に認知されていく。

順調に活躍の場を広げ、レギュラー番組を多く持つようになったが、それでも東京のコント師、大喜利、脚本家という「センス系芸人」のイメージは強かった。

それを察してのことか、2017年から不定期の番組『バカリズム&小峠の僕らも福岡芸人だ!』(TNC)が始まっている。

「福岡出身なのに、福岡出身スターとして認知されていない」というバカリズムとバイきんぐ・小峠が、福岡の街を歩いて己をアピールする街ブラ番組なのだが、その初回放送で小峠ばかりが地元の年配者から声を掛けられ、「だから、嫌なんだよ」とボヤくバカリズムが忘れられない。

コンプレックスがあるからこその鋭い洞察力

ただ、この番組以降、DMMの『大脱出』シリーズで揃って見届け人を務めるなど2人の共演は珍しくなくなったし、『家事ヤロウ!!!』や『私のバカせまい史』といった番組で年齢の離れた後輩たちと楽しそうに絡む姿が当たり前の光景になった。

バカリズム
『私のバカせまい史』(写真:番組公式サイトより引用)

前述の『QuickJapan Vol.121』の中で、バカリズムは「ちゃんと挨拶もするし、不快感を与えるようなことはしないし、先輩が面白いことを言ったときはちゃんと笑うし、失礼なことはしないけれど、可愛がられるところまでは踏み込めない。それは子供の頃からずっとそう」と語っている。

そのコンプレックスがあるからこそ、鋭い洞察力が培われ、ひいては「今の自分がどう見られていて、今後どう見られたいか」を冷静に分析し、理想とする芸人像へとステップアップできているのかもしれない。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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