ドラマ脚本も話題「バカリズム」溢れる才能の原点 かつてはコンビ、その頃から才能の片鱗

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毎年ライブを継続し、2022年から恒例となっているドラマシリーズ『ノンレムの窓』(日本テレビ系)で原案・脚本・案内人を務め、今年のドラマ『イップス』(フジテレビ系)で主演を務めていることを考えても、その忙しさは想像に難くない。

なぜ彼は今の時代に求められるのだろうか。その卓越した能力が生まれた背景について考えてみたい。

ドラマ脚本を手がける前のバカリズムと言えば、「大喜利の人」というイメージを抱く方も多いのではないだろうか。

実際、2009年からスタートした大喜利No.1を決定する大会『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)の初代王者であり、これまでに6度の優勝という最多記録を持つエリートでもある。

バカリズム
バカリズムは『IPPONグランプリ』で6度も優勝に輝く(写真:フジテレビ公式サイトより引用)

発想力、お題に対する角度、独特なタッチのイラストのほか、いつくもの回答をストックするスピード感、ライバルたちの回答の流れを踏まえた戦略など、競技性のある大喜利において唯一無二の才覚を発揮し、今年は芸能活動を休止しているダウンタウン・松本人志の代理としてチェアマンを務めたのも記憶に新しい。

学生時代から才能の片鱗があった

驚くべきは、学生時代からすでにその片鱗があったことだ。

バナナマン、東京03の単独ライブを長らくサポートしているコント作家・オークラ氏は、著書『自意識とコメディの日々』(太田出版)の中で、自身が芸人として活動していた時代に日本映画学校(現・日本映画大学)の生徒としてマセキ芸能社の事務所ライブに登場したバカリズム(当時はコンビ)の衝撃をこう書いている。

「その時やっていたネタが『恥ずかしい行為を競い合う世界大会で優勝した男のインタビュー』というもので、優勝した選手とインタビュアーが大会を振り返っているだけなのだが、具体的な競技内容も見せず、断片的な情報で大会内容を想像して楽しむというコントだった。

自分が作るシステムコント(筆者注:オークラ氏が個人的に名付けたコントジャンル。主には、演じる世界に1つのシステムを作り、それを前提に話を進め、見る者に理解させたところで展開の仕方、崩し方でさらに笑いを作るコント)よりスマートで、かつ枠からはみ出さないシンプルな構成、そして余計な笑いもないがポイントポイントで確実に笑わせる、すごく美しいコントだった」

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