台湾に待ち構える4つの地雷、着火点は労働力人口の減少

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 ギリシャは1992~2011年の20年間で、国家債務が6倍以上に増えた。08年の世界金融危機発生による景気低迷で債務返済ができなくなり、国家財政の危機に追い込まれている。EUなどからの資金援助を求めるため、ギリシャ政府は公務員の削減や増税などの財政緊縮策を打ち出したが、それによって市民の抗議行動は暴動にまで発展した。

今後4年以内に必要な改革は「まず増税」

こうした悲劇が台湾にも起きるのだろうか──。

殷教授は、「台湾の政治家は選挙の票にばかり目を奪われている。容易に予想できる将来の危機を無視している」と語る。また、中華経済研究院第一所の張光豊所長は、今後4年以内に改革が成功しなければ、2016~20年に台湾の財政、健康保険、国民年金は崩壊すると予想する。

では、改革とは何か。殷教授は「まず増税」と言い切る。しかし、台湾は長期的に「増税すべきときに逆に減税し、さらには起債も実施してきた」。確かに増税は政治家にとっての“政治的自殺”につながる。しかし、高齢化の趨勢の下、逆に減税を行うのであれば、台湾財政そのものを“謀殺”することになろう。

一方、台湾のGDPに対する租税負担率は10年で13・9%と低い。韓国は20・7%、フランス27%、ドイツは23%だ。しかし、現時点での低負担率は持続的ではない。

台北大学財政学科のホアンシーシン教授は、「85年以来、台湾の主な税制改革はいずれも減税だった。政府は減税が経済成長を促進すると考えたのだろうが、実際には台湾の発展を脅かしている」と指摘する。さらに「経済成長に対する高齢化の衝撃については定まった見解がないが、少なくとも納税者が減り、政府の世話の必要な人が増えれば、財政への圧力が大きくなることは簡単に予見できる」と話す。

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