新庄監督「6位→2位」若手を伸ばす育成力の本質 大原則「機会は平等に、評価は公正に」を守った
最初はかなり抵抗していたベテラン社員たちだったが、部長の覚悟を目にして渋々新規開拓を続けた。
すると半年後からようやく結果がではじめ、どれぐらいの行動をすることで、どれぐらいのリターンが返ってくるかの仮説を立てられるようになった。その後、仮説検証サイクルを高速に回せるようになり、新規開拓でも安定して成果を出せるようになったのだ」
マネジメントする側が結果を求めすぎると、どうしても部下は守りに入ってしまうものだ。そして、守りに入ってしまうと、「どうせ頑張ってもダメだし……」という空気も生まれてしまう。
しかし、新庄監督の場合は何度も何度も「自分の責任だから」と伝えることで、選手たちに「しっかり役割をこなす」ことだけに集中させることができたのだ。
もっとも、そんな新庄監督も、結果を軽視しているわけではない。むしろ、口癖のように語っているのが「努力は一生、本番は一回、チャンスは一瞬」という言葉だ。
3月16日のオープン戦では、読売ジャイアンツからトレードで加入したばかりの若林晃弘を1番二塁で先発出場させるも、初回にエラー。その裏には四球で出塁したが、走塁時に左太もも裏を痛めて交代し、後に2軍落ちに。
清宮幸太郎、万波中正とともに若手の成長株として期待された野村佑希は、7月に1軍昇格を果たすも、思うような成績を残せず、ふたたび2軍での調整に。宮崎で7日から開幕した「みやざきフェニックス・リーグ」に参加し、CSに出場する仲間たちと離れた場所で過ごすことになった。
「機会は平等に、評価は公正に」という、マネジメントにおける大原則を守りながらも、必要な時には厳しい判断もくだす、新庄監督の強さが見て取れる。
ソフトバンクを打ち破り、日本シリーズ進出なるか
そんなファイターズは12日から14日にかけて行われたCSファーストステージにて、千葉ロッテマリーンズを2勝1敗で打ち破り、ファイナルステージへの進出を決めた。
この3連戦で注目なのが、清宮の活躍だ。14日の試合では0-2の3回にロッテ種市から同点適時打。9回にも安打を放ち、盗塁の際に捕手の悪送球を招き、ダメ押しとなる5点目を切り開いた。
誰もが認めるポテンシャルを持ちながら、プロでは殻を破れずにいた印象の清宮が覚醒したのは、もちろん本人の努力が一番だろう。しかし、新庄監督の巧みなマネジメントの手腕も見逃せない。
そこで、後編の記事ー清宮を覚醒「新庄流育成術」一体何がスゴイのか ビジネスのプロも唸る、一流のマネジメントだーでは、清宮幸太郎や郡司裕也といった選手にフォーカスしつつ、「選手の個性に合わせた育成」について深掘りして考えていきたい。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら