ドルに代わる国際通貨の覇権をBRICSは握れるか ロシアで開催されるBRICSサミットに注目せよ
2024年10月22日から24日まで、ロシアのカザンでBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国)のサミットが開催される。2023年に南アフリカで開催され、今年はロシアが主催国となった。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ、これらの国を先進国と比較したとき、いずれもかつては発展途上国であったといえる。しかし、今やもっとも勢いのある経済成長国は、このBRICS諸国であるといってもよい。
技術進歩で先進国を凌駕した
急激な経済成長は遅れた国が追いつくための必須条件であり、キャッチアップのために先進国から技術を学び、低賃金による低価格商品を輸出して経済を成長させていく。遅れた国の成長は、始まると急速である。
だから、BRICS諸国の経済成長率が高いというのは頷ける。しかし、すでにいくつかの国では経済成長が速いばかりか、その技術進歩という点で、先進国を凌駕しつつあることも確かだ。
ここにショッキングなデータがある。これは最近、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI、Australian Strategic Policy Institution)が発表した「20年の批判的技術追跡―長期研究投資の結果」(ASPI’s two-decade Critical Technology Tracker | Australian Strategic Policy Institute | ASPI)である。
これはあくまでも主要な雑誌論文に掲載された論文数をもとに判断したものであり、それが本当にその国の技術の優位性を示しているかどうかは疑問ではある。しかし、そもそも技術優位を測る確たる客観的データなるものがない以上、これが技術優位を測る基準のひとつにはなるので紹介する。
さらにここには、研究をもっぱらロシア語で発表しているロシアがまったくランキングに入っていないのは不気味というしかないが、それは大学ランキングにおいても言えることで、ロシアの大学の実力を推し量ることは簡単ではない。
データは世界の国家の最先端技術のランキングを示したものであり、64の重要な最新技術がリストアップされている。そしてそれぞれの分野でその国が何位であるかということがわかる。トップ5までの国が、そのランキングに登場している。
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