ドルに代わる国際通貨の覇権をBRICSは握れるか ロシアで開催されるBRICSサミットに注目せよ

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64の最新技術のうち中国がその研究のトップに位置するものが、なんと57もあることである。すなわち全体の64の研究のおよそ90%もあるということだ。

ちなみに、アメリカがトップにあるのは7、中国とアメリカが最先端の研究のトップをすべて独占しているものの、中国が圧倒的に優位にあるということだ。

つい10年前までアメリカが64のうち28の分野でトップだったことを考えてみれば、その技術的発展のスピードの速さがわかる。しかも、それが最先端の技術であることである。

中国、インドの研究力がトップに

ちなみに、アジアでは中国に続いてインドが伸びていて、それぞれの研究分野での1位は中国とアメリカに独占されているものの、64のトップ技術において45の分野でそれぞれ5位以内に入っている。

つまり、近い将来中国と肩を並べる国は、もはやアメリカではなくインドかもしれないということだ。

それに比べて、日本は64のうち8つが5位以内にランクしているのだが、かろうじて3位に入っているものが、半導体と原子力エネルギーという状態である。

一方、お隣の韓国の躍進はめざましく、64のうち24がトップ5位に位置していて、日本は、韓国に比べても先端技術の劣化が激しいという状況である。

注目すべきは、イランやサウジアラビアなども上位に食い込んでいて、これまで支配的であったG7諸国の技術的優位が次第になくなっていることである。技術的優位が、BRICSに移りつつあることがこの報告から見てもはっきりわかる。

クズネッツが生きていたら、BRICS諸国の現在の経済成長の速度や技術優位をどう考えるのであろうか。しかも工業生産でいえば、その中心は先進国からBRICS諸国が圧倒的な力を発揮していて、金融やサービスを含めたGDPではなんとか西欧諸国が今でも優位なのだが、実体経済をあらわす物的生産においてはすでにアジア・アフリカが優位に立っているのだ。

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